2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 減災・防災, 環境, 世界遺産・地域の文化財等, 福祉, 持続可能な生産と消費

ESDテーマ
「学校・地域文化の継承・自然から学ぶ」~ふるさとを守ろう ふるさとから学ぼう~

実践の概要
【小学校】旧別子銅山と別子地区の関わりについて、「総合的な学習の時間」を中心に学ぶ。また、旧別子地区へも足をのばし、先人の環境問題への取組についても学びを深める。さらに、先人の努力によって残されてきた豊かな自然や文化に対する感謝の気持ちと、先人の意思を後世に伝えようとする意欲を喚起する取組を発展させたい。そのため、低学年から、地域の豊かな自然に関心を持ち、自然のすばらしさに気付き、野菜を育て、自然を大切にすることを通して、地域への愛着を深めるようにする。中学年では、地域の自然や福祉・文化についての課題を見付け、主体的に探究する学習を通して、地域の一員として故郷への誇りを持ち、地域の人々とのつながりを大切する。
【中学校】住友の近代産業遺産が在る旧別子地区と別子山地域の関わりについて、「総合的な学習の時間」を中心に学習する。1年生では、学校近辺の自然(甌穴、エクロジャイト等)や別子銅山の近代産業遺産について、調べ学習を行う。2年生では、1年生や保護者、小学生に別子銅山の近代産業遺産についてのガイドを行うことで、地域の理解を深める。3年生では、1・2年生で学んだことを整理し、別子山地域の自然や別子銅山産業遺産等の紹介記事(英訳)をインターネットサイトで公開する。また、全校生徒で「新居浜勇太鼓」の練習や演奏に取り組んだり、「別子ファーム」で農業体験をしたりすることで、伝統文化を継承し、持続可能なまちづくりに貢献できる一員となる。

目的
【小学校】
1 児童が地域の人々とのつながりに気付き、地域を愛し、故郷に誇りを持つ。
2 児童が環境保全活動の意義や豊かな自然と共生することの必要性を知ることができるとともに、学んだ知識を身の回りの環境保全や伝統継承に関連付けて生かすことができる。
【中学校】
1 自然と深く触れ合う活動を通して、先人や地域の方々の努力や願いを知り、自然環境の保全や地域創生について考える機会を持ち、自分たちができることについて主体的に考え、実践する力を育成する。
2 地域の人々とのつながりを深め、地域を愛し、故郷に誇りを持ち、伝統文化を継承することの意味や大切さを理解する。

具体的には、「学校・地域文化の継承」では、①新居浜勇太鼓の演奏、「自然や先人から学ぶ」では、②銅山峰登山、③魚つかみ大会、「ふるさとを守ろう ふるさとから学ぼう」では、④地域への貢献活動、⑤ありがとう週間、⑥砂防教室の活動を行った。

活動の実際
(1)新居浜勇太鼓の演奏(全校児童生徒)
最上級生の中学3年生がパートリーダーになり、中学1・2年生に教えたり、互いに演奏方法等を改善することを通して、新居浜市の伝統文化を継承することの意味や大切さを実感することができた。また、学習成果発表会やオープンスクールで演奏を披露し、保護者や地域の方々とのつながりを感じることができた。

(2)銅山峰登山(全校児童生徒)
毎年行っている登山活動は、新型コロナウイルス感染症対策のため、小学校は時期をずらし規模を縮小して実施した。また、中学校は中止することとなった。ただ、学校近辺の自然や南光院、別子銅山の近代化産業遺産について調べ学習を行ったり、別子山地区の自然環境や、近代化産業遺産について体験的に学習した。

(3)魚つかみ大会(全校児童生徒、市街地の小学生と家族)
地域の連合自治会、PTAと協力し、市街地の小学生の参加を募り8月上旬に実施予定であったが、新型コロナウイルス感染症の影響で、今年度は中止した。来年度の実施について、地域の方々と協議を行い、実施するための方策を模索している。

(4)地域への貢献活動(全校生徒)
生徒会主体で計画し、学校近隣道路の除草、ふるさと館遊歩道の清掃、別子山で採取されたエクロジャイトを使用した石碑・案内板清掃、池の掃除などの美化活動を行った。

(5)防災教育(全校児童生徒)
防災ヘルメットを活用した避難訓練を定期的に行い、防災意識の醸成を図った。また、学校の敷地が土砂災害特別警戒区域に指定されたことをうけて、避難経路や避難場所を再検討し、地域の実態に即した避難訓練を行った。さらに、避難生活の際に必要とされる備蓄物資や資機材の情報を、児童生徒とともに共有した。

(6)野菜作りと椎茸栽培(全校児童)
キャベツ、大根等を育て、収穫した野菜を調理して自然の恵みを味わった。菌うち体験を行い椎茸の育て方を学んだ。

来年度の活動計画

(1)新居浜勇太鼓の演奏(全校児童生徒)
この取組を初めて5年となった。伝統文化の継承、リーダー養成などを目的に、この活動を継続していく。

(2)銅山峰登山(全校児童生徒)
時期や方法を検討しながら、意味のある活動にしていきたい。

(3)魚つかみ大会(全校児童生徒、市街地の小学生と家族)
地域の方々と協議を行い、実施するための方策や規模を検討する必要がある。

(4)地域への貢献活動(全校生徒)
今年度と同様に、地域への貢献活動を進めていく。また、地域の方々と協働できる取組に発展させたい。

(5)防災教育(全校児童生徒)
土砂災害についての知識を増やし、具体的な避難行動や、避難後の一時的な生活をイメージした取組を進めたい。

(6)野菜作りと椎茸栽培 「別子ファーム」活動(全校児童生徒)
地域で栽培可能な野菜や作物の情報を整理し、栽培時期を考えたり、調理方法を考えたりすることで、さらに主体的な活動に発展させたい。また、中学生が取り組んでいる「別子ファーム」活動では、育てた野菜や作物を販売することも視野に入れて取り組みたいと考えている。