2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, 環境, 世界遺産・地域の文化財等, 福祉

本校区には,水生生物が豊富に生息する朝倉川が流れ,身近に子どもたちの生活に密着した教材がある。また,古くからこの地域に暮らす方々が多く,教育活動に対して積極的に協力してもらっている。教材と地域の“ひと・もの・こと”を深く関わり合わせることで,「ふるさと東田」を愛する豊かな心を育みたいと考えている。また,これまでの教育活動を見直し,生活科・総合的な学習の時間を中心に学習を継続的に展開し,自分が住む地域のよさに気づき,将来にわたって地域への誇りと愛着をもてる子どもたちを育んでいきたいと願い,実践を試みた。
4年生では,校区に流れる朝倉川に関心をもち,NPO朝倉川育水フォーラムの方から朝倉川に生息する水生生物や水質調査の方法を学んだ。子どもたちは「きれいに見えても,川は汚れている」と,さらに詳しく朝倉川の水質調査をすすめるために活動を実施した。様々な調査活動を行ったことで,子どもたちは,自然にあふれた朝倉川をよりよい環境にしていくための取り組みを考えたり,これまで自分たちの調べことを学習発表会で発表したりして,他学年の児童や保護者・地域の人たちにも朝倉川を守っていくことの大切さを啓発することができた。
5年生では,様々な体験を通して,だれもが安心して過ごすことができるまちづくりについて学習している。市の職員の方を講師に招いて行った車いす体験の活動を通して,操作の大変さや車いすを利用している方への声のかけ方を学んだ。今まであまり意識することのなかった「さまざまなひと」がともに暮らしていることに気づき,安心なまちづくりについての学習を深めることができた。
6年生では,校内の危険な場所の現地調査を行い,グループごとの話し合いをもとにして「校内防災マップ」を作成した。また,校区の防災の中でも,交通安全に対する意識高揚が大切だと考え,6年生が中心となって「交通安全標語」の作成を全校児童に呼びかけた。どちらも自分たちから全校児童に「呼びかけたり発信したりしたい」という思いを,全校放送を利用した呼びかけ活動や各教室に出向いての発信活動へとつなげていった。防災の学習を通して高まった自分たちの安全に対する意識を,今後は交通安全などを含めた幅広い「東田校区の安全・安心」について考える学習へとつなげていきたい。

来年度の活動計画

前年度までの反省を生かしてカリキュラムの組み直しや見直しを行い実施する予定であったが、感染症拡大防止の観点から思うような活動を行うことができなかった次来年度も、今年度実施予定であった様々な活動を計画し、子どもたち自らが課題を発見し、活動に結びつくことができるような内容を実践していきたい。また社会科や生活科、特別の教科道徳などの学びが子どもたちの活動につながるように総合的な学習を再構想する。さらに系統立てた学習ができるように、よりよいカリキュラムとなるように見直しを継続的に図っていく。活動がその年で終わることなく持続し、活動によって得られた知識や力が子どもたちの本当の生きる力となるようにさらに内容の充実を図っていく。地域とのかかわりをさらに増やし、地域の方からの反響を生かし、新たな学びにつながるように考えている。