2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, 環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 福祉

本校区には,水生生物が豊富に生息する朝倉川が流れ,身近に子どもたちの生活に密着した教材がある。また,古くからこの地域に暮らす方々が多く,教育活動に対して積極的に協力してもらっている。教材と地域の“ひと・もの・こと”を深く関わり合わせることで,「ふるさと東田」を愛する豊かな心を育みたいと考えている。また,これまでの教育活動を見直し,生活科・総合的な学習の時間を中心に学習を継続的に展開し,自分が住む地域のよさに気づき,将来にわたって地域への誇りと愛着をもてる子どもたちを育んでいきたいと願い,実践を試みた。

■自然・環境を考える活動  ―朝倉川探検―

昨年度,現5年生から朝倉川についてポスターセッションを受けていた子どもたちは,その経験をもとに,次のようなテーマを設定し,朝倉川についての調べを進めていった。

①朝倉川の生き物の種類    ②在来種や外来種の種類

③朝倉川のごみの量とその種類 ④朝倉川の水質

そして,より深く調べを進めたいと願う子どもたちのために,NPO朝倉川育水フォーラムの方を講師として招き,観察の方法や生き物の採集方法,水質調査の進め方を教えていただいた。その結果,多くの生き物を採集することができた。また,生き物の生息状況から,朝倉川の中流は,比較的きれいな水であることがわかった。同時に,子どもたちからは「環境を守るためにごみを拾わないといけない」という意見が出された。

調査活動を行ったことで,子どもたちは,自然にあふれた朝倉川をよりよい環境にしていくための取り組みを考え始めた。これまで自分たちで調べてわかったことなどを他学年の子たちに伝えることで,朝倉川を守っていくことの大切さを啓発することができた。

■福祉・防災について考える活動 ―安全・安心なまちづくり―

5年生は,誰もがよりよく生きることができる社会の実現に向けて,学びを進めている。6月には市の職員の方を講師に招いて行った車いす体験の活動を通して,操作の大変さや車いすを利用している方への声のかけ方を学んだ。今まであまり意識することのなかった「さまざまなひと」がともに暮らしていることに気づき,安心なまちづくりについての学習を深めることができた。

6年生は,校内の危険な場所の現地調査を行い,グループごとの話し合いをもとにして「校内防災マップ」を作成した。そして,各教室に出向き,安全な学校生活について啓発活動を行った。また,校区の防災の中でも,交通安全に対する意識高揚が大切だと考え,6年生が中心となって「交通安全標語」の作成を全校児童に呼びかけた。どちらも,全校児童に「呼びかけたり,発信したりしたい」という子どもたちの思いを軸に活動に取り組んでいた。防災の学習を通して高まった子どもたちの安全に対する意識を,交通安全などを含めた幅広い「東田校区の安全・安心」について考える学習へとつなげ,学習を進めていった。

来年度の活動計画

本年度も感染症拡大防止の観点から思うような活動が実施できなかった。次年度も,子どもたち自らが課題を発見し,活動に結びつくことができるような内容を考え実践していきたい。そのために,社会科や理科などの教科,特別活動などの学びが子どもたちの活動につながるように総合的な学習の時間を再構想し,系統立てた学習ができるように,カリキュラムの見直しを図っていく。そうすることで,活動がその年で終わることなく持続し,活動によって得られた知識や力が子どもたちの本当の生きる力となるようにさらに内容の充実を図っていきたい。また,地域との関わりをさらに増やし,地域の方からの反響が新たな学びにつながるようにと考えている。