2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, 世界遺産・地域の文化財等

本校は,「思いやりと活力に満ちた鮎川小学校」を学校経営理念として掲げ,以下のようにESDの目標を設定した。

1 様々な人やもの,自然と関わり合う豊かな体験を通して,課題を追求する態度を養うとともに,人やもの,自然とのつながりを実感させる。
2 世界の様々な国の事情を知り,自然災害,貧困,人権,平和,開発,環境等の現実社会の課題を自らの問題として捉え,それらを解決する活動に持続的に取り組もうとする意識を高める。具体的には,SDGs「11 住み続けられるまちづくりを」を柱に,(1) 防災・安全教育に係わる活動,(2) 地域の伝統文化継承に係わる活動,(3)地域の自然の豊かさを体験し, 守ろうとする活動を設定し,実践する。

(1) 防災・安全教育に係わる活動
①防災副読本を活用した防災学習
宮城県教育委員会が作成した防災教育副読本を活用した防災教育年間計画を作成し,毎月1回,業前に「防災の時間」として防災学習を実施している。
②地域合同避難訓練
地域とのつながりを大切にした防災教育として,地域の人たちとの合同避難訓練や地域に残る津波の碑の清掃活動をしている。(令和2年度は新型コロナウィルス感染症拡大のため,清掃活動は実施できなかった。)
③セーフティプロモーションスクール(SPS)としての活動
今年度,大阪教育大学学校危機メンタルヘルスサポートセンターよりセーフティプロモーションスクール(SPS)として再認証された。災害安全はもちろん,交通安全や生活安全にも力を入れており,今年度は特に生活安全に重点的に取り組んだ。地域の駐在所と連携した交通安全教室や不審者対応教室や,教職員と児童が合同で行う施設安全点検を実施してきた。

(2) 地域の伝統文化継承に係わる活動
地域の伝統・文化を伝え,地域に元気を与えられるよう,「子供七福神舞」と「牡鹿銀鱗太鼓」の伝承に取り組んできた。例年,運動会や学芸会,地元の夏祭りなど発表してきたが,今年度は新型コロナウィルス感染症拡大のため,いずれも計画どおりに実施することができなかった。そこで,本校の伝統である牡鹿銀鱗太鼓の活動を活性化させることで,学校生活をより充実したものにしていきたいと考え,それまで高学年のみが取り組んでいた活動を全校児童に展開し,学校での活動の中心に置いて計画・実践してきた。「コロナ禍だからこそ,地域に元気を与えたい」という児童の純粋な思いを大事にし,感染症流行の様子を見ながら発表の場を設定して取り組んでいる。今年度実施した発表会では,見に来てくださった地域の方々よりたくさんの拍手をいただくことができた。
このように地域の方々とのつながりを大切にしてきたことで,児童は,少人数ながら「自分たちがこの牡鹿地区の伝統文化継承の担い手である」という自覚を持ち,自ら進んで活動に取り組むことができている。

(3) 地域の自然の豊かさを体験し, 守ろうとする活動
①御番所公園校外学習
カメラメーカーの協賛により,鮎川の名所の一つである御番所公園で,故郷の風景を児童自らがカメラに収める校外学習を設定した。御番所公園は牡鹿半島の突端に位置しているため,児童は,目の前に広がる海に歓声を上げながら,思い思いに絶景をファインダーに収めていた。一眼レフで撮った作品はいずれも仕上がりがすばらしかったため,一人数枚を選んで,校内写真展を開いた。

②金華山遠足
東日本大震災以来,中止となっていた金華山遠足を再開した。金華山もまた学区内の離島であり,文化財でもある金華山神社を訪れたことは,地域を知る良い機会となった。また,周辺を散策しながら,生息している鹿や猿を見学するなど,地域の自然について学ぶこともできた。(令和2年度は新型コロナウィルス感染症拡大のため,実施できなかった。)

来年度の活動計画

本校は宮城県の東端の半島部に位置しており,海に囲まれた環境であることから,これまでの(1) 「防災・安全教育に係わる活動」,(2)「地域の伝統文化継承に係わる活動」に加えて,昨年度より新たに(3)「地域の自然の豊かさを体験し,守ろうとする活動」を取り入れてきた。(3)ついては,新型コロナウィルス感染症予防に努めながら「地域の自然の豊かさ,よさを感じる体験活動」は十分に行うことができたので,今後はさらにそのような経験をもとに,児童自らが地域にある浜の清掃活動を行うなど,主体的に取り組む活動につなげていきたい。