2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災

本校は,「思いやりと活力に満ちた鮎川小学校」を学校経営理念として掲げ,以下のようにESDの目標を設定した。

1 様々な人やもの,自然と関わり合う豊かな体験を通して,課題を追求する態度を養うとともに,人やもの,自然とのつながりを実感させる。

2 世界の様々な国の事情を知り,自然災害,貧困,人権,平和,開発,環境等の現実社会の課題を自らの問題として捉え,それらを解決する活動に持続的に取り組もうとする意識を高める。具体的には,SDGs「11 住み続けられるまちづくりを」を柱に,(1) 防災・安全教育に係わる活動,(2) 地域の伝統文化継承に係わる活動,(3)地域の自然の豊かさを体験し, 守ろうとする活動を設定し,実践する。

(1)防災・教育に係わる活動
①防災副読本を活用した防災学習
宮城県教育委員会が作成した防災教育副読本を活用した防災教育年間計画を作成し,毎月1回,業前に「防災の時間」として防災学習を実施している。

②地域想定避難訓練
地域とのつながりを大切にした防災教育として,学校だけでなく,地域(海辺)での避難訓練を実施や地域に残る津波の碑の清掃活動に取り組んでいる。

②セーフティプロモーションスクール(SPS)としての活動
大阪教育大学学校危機メンタルヘルスサポートセンターよりセーフティプロモーションスクール(SPS)として再認証2年目となる。災害安全はもちろん,交通安全や生活安全にも力を入れており,昨年度からは生活安全に重点的に取り組んできている。地域の駐在所と連携した交通安全教室や不審者対応教室,教職員と児童が合同で行う施設安全点検を実施してきた。

(2)地域の伝統文化継承に係わる活動
地域の伝統・文化を伝え,地域に元気を与えることを目標に,「子供七福神舞」と「牡鹿銀鱗太鼓」の伝承に取り組んできた。今年度は,新型コロナウィルス感染症予防策に努めながら,運動会や学芸会を保護者の参加のみという形で開催し,その中で発表してきた。特に,牡鹿銀鱗太鼓は,今年度新たに総合的な学習の時間等に位置づけ,学校の活動の中心に置いて計画し,全校児童で取り組む形にして,その伝統を引き継ぎながら実践してきた。11月には,石巻で開催された全国鯨フォーラムで発表の機会をいただき,地域はもちろん全国からお集まりいただいた方々の前で演奏を披露し,たくさんの拍手をいただくことができた。今年度もまた「地域に元気を届けたい」という児童の純粋な思いを大事にしながら,地域の方々とのつながりを大切にしてきたことで,児童は,少人数ながら「自分たちがこの牡鹿地区の伝統文化継承の担い手である」という自覚を持ち,自ら進んで活動に取り組むことができた。

(3)地域の自然の豊かさを体験し, 守ろうとする活動
①御番所公園校外学習
御番所公園は牡鹿半島の突端にあり,太平洋を臨む金華山や網地島を展望台から一望できることから鮎川の名所として知られている。この絶景を前に,全校児童で写生に取り組む等の活動は,自分た ちの住む地域が自然に恵まれた環境にあることを児童に実感させることができると考える。(令和3年度は,公園内の遊具新設のための工事が入り,実施できなかったため,サン・ファン館:宮城県慶長使節ミュージアムへの校外学習を実施した。)

②牡鹿3小学校合同産業学習
牡鹿地区3小学校の5・6年生対象に,牡鹿地区にある地域の自然や産業等について,地域からのゲストティーチャーの指導のもと,体験学習を行っている。今年度は,おしかホエールランド,牡鹿半島ビジターセンターを会場に,ロープワーク体験や鹿角アクセサリーづくりに取り組んだ。また,国語の学習内容との関連を図り,牡鹿の未来について話し合う場を設定し,3校で意見交流を行った。話合いでは,海と山に囲まれた牡鹿の自然をこのまま守っていきたい等の意見が児童から出されており,牡鹿地区の自然の豊かさについて再確認する良い機会となった。

来年度の活動計画

本校は宮城県の東端の半島部に位置しており,海に囲まれた環境であることから,これまでの(1) 「防災・安全教育に係わる活動」,(2)「地域の伝統文化継承に係わる活動」に加えて,一昨年度より新たに(3)「地域の自然の豊かさを体験し,守ろうとする活動」を取り入れてきた。(3)ついては,昨年度に引き続き新型コロナウィルス感染症予防に努めながら「地域の自然の豊かさ,よさを感じる体験活動」は十分に行うことができた。しかし,児童自らが地域にある浜の清掃を行う等の活動には取り組めなかったので,これまでの経験をもとに主体的に取り組む活動につなげていきたい。