2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, 世界遺産・地域の文化財等

 本校は,「思いやりと活力に満ちた鮎川小学校」を学校経営理念として掲げ,以下のようにESDの目標を設定した。
1 様々な人やものと関わり合う豊かな体験を通して,課題を追求する態度を養うとともに,つながりを実感する。
2 世界の様々な国の事情を知り,自然災害,貧困,人権,平和,開発,環境等の現実社会の課題を自らの問題として捉え,それらを解決する活動に持続的に取り組もうとする意識を高める。具体的には,SDGs「11 住み続けられるまちづくりを」を柱に,(1) 防災・安全教育に係わる活動,(2) 地域の伝統文化継承に係わる活動,(3)地域の自然の豊かさを体験し, 守ろうとする活動を行った。

(1) 防災・安全教育に係わる活動
① 宮城県教育委員会が作成した防災教育副読本を活用した防災教育年間計画を作成し,毎月1回,業前に「防災の時間」として防災学習を実施している。
② 地域とのつながりを大切にした防災教育として,地域の人たちとの合同避難訓練や地域に残る津波の碑の清掃活動をしている。
③ 本校では,大阪教育大学学校危機メンタルヘルスサポートセンターが認証しているセーフティプロモーションスクール(SPS)となっており,災害安全だけでなく,交通安全や生活安全にも力を入れて取り組んでいる。地域の駐在所と連携した交通安全教室や不審者対応教室を実施したり,教職員と児童が合同で行う施設安全点検を実施したりしている。

(2) 地域の伝統文化継承に係わる活動
 地域の伝統・文化を伝え,地域に元気を与えられるよう,4年生以下は「子供七福神舞」,5・6年生は「牡鹿銀鱗太鼓」に取り組んでいる。地域の方々の協力もあり,定期的に指導をいただきながら練習を重ねてきた。いずれも運動会や学芸会,地元の夏祭りなど発表し,地域の方々からも高く評価されている。今年度は,「牡鹿銀鱗太鼓」が敬老会に招かれ,地域のお年寄りの方々の前で,演奏を披露してたくさんの拍手をいただいた。また,復興のシンボルとして新しく立ち上げた牡鹿ビジターセンターでも,オープニングセレモニーで演奏を披露し,式典を大いに盛り上げることができた。
 このように地域の方々とのつながりを大切にしてきたことで,児童は,少人数ながら「自分たちがこの牡鹿地区の伝統文化継承の担い手である」という自覚を持ち,自ら進んで活動に取り組むことができている。

(3) 地域の自然の豊かさを体験し, 守ろうとする活動
①サマースクールin網地島
 夏休みに,学区内にある網地島の白浜海水浴場を中心に,海水浴や釣りなどの体験活動に取り組んだ。海の近くに住んでいるものの,海に親しむ活動にあまり縁のない児童が多かったため,魚や生き物の豊富な海での体験活動は,子供たちにとって大変貴重で意義のあるものとなった。

②金華山遠足
 東日本大震災以来,中止となっていた金華山遠足を再開した。金華山もまた学区内の離島であり,文化財でもある金華山神社を訪れたことは,地域を知る良い機会となった。また,周辺を散策しながら,生息している鹿や猿を見学するなど,地域の自然について学ぶこともできた。

来年度の活動計画

本校は宮城県の東端の半島部に位置しており,海に囲まれた環境であることから,これまでの(1) 「防災・安全教育に係わる活動」,(2)「地域の伝統文化継承に係わる活動」に加えて,今年度新たに(3)「地域の自然の豊かさを体験し,守ろうとする活動」を取り入れてきた。(3)ついては,報告にあるように「地域の自然の豊かさ,よさを感じる体験活動」は十分に行うことができたので,今後はさらにそのような経験をもとに,児童自らが地域にある浜の清掃活動を行うなど,主体的に取り組む活動につなげていきたい。