2020年度活動報告
本年度の活動内容
海洋, ジェンダー平等, 持続可能な生産と消費
粟島浦小中学校は、日本海に浮かぶ人口約350人の離島にある。島内に高校はなく、中学校を卒業し進学する際には、家を離れ、本土で生活することになる。15歳で自立を求められるため、9年間を見通した社会性の育成が求められている。そこで、当校では、「何事にも主体的に取り組む児童生徒」を目指す児童生徒の姿にした。
総合的な学習の時間や特別活動の時間を中心に地場産業の体験学習、他地域の学校との交流学習、地域を知り、地域を守る学習を行っている。また、今年度より中学校を中心として海洋教育を推進し、海をテーマにした活動や総合学習を計画的に行っている。
① 地場産業の体験学習
ア わかめ採り(小中学校合同)
毎年、伝統ある地場産業のわかめ養殖を、わかめ巻き(11月)から収穫(4月)、販売まで体験してきた
が、今年度、4月のわかめ収穫については新型コロナウイルス感染拡大防止の観点を受けて体験を見送り、
保護者と地域ボランティアのみで活動を行った。50年以上の歴史がある「わかめ採り」は、親や祖父母世
代も体験してきたものであり、ボランティアで参加してくださる地域の方みんなが先生である。この活動で
できた乾燥わかめ、めかぶ、茎わかめの商品は、村民や観光客に販売し、収益を児童生徒会費として学校の
教育活動に活用している。
イ 枝豆の栽培体験学習(小中学校合同)
学校の近くに畑を借りて、粟島で多く栽培されている枝豆「ひとり娘」の栽培をしている。種まきや収
穫の作業は全校児童生徒で取り組み、また、中学生が中心となり、草取り活動を行った。平成27年に中
学生が総合的な学習の時間に考えた「ひとり娘」を使った枝豆アイスが委託販売され島内外で販売されて
いる。栽培した枝豆はその原材料して利用されている。
② 他地域の学校との交流学習(小学校、中学校)
毎年小学校は年1回、中学校は年1回、他校を訪問している。しかし、今年度は、新型コロナウイルス感染
拡大防止の観点を受けて年度当初計画していた小学校、中学校の春の訪問活動を実施することができなかっ
た。しかし、小学校では2学期、訪問活動が実施することができ、大人数の中での学校生活を体験すること
ができた。
③ 地域を知り、地域を守る学習
ア 粟島の浜清掃活動(全校児童生徒)
6月、小中学校で組織される生徒会の呼びかけの下、これから水泳授業や海水浴でにぎわう粟島の浜が
いつまでもきれいであってほしいという願いをもちながら一生懸命ごみ拾いを行った。空き缶や空き瓶、
漂流物など、様々なごみが捨てられていたが、これらのごみを一つ残らず拾うことができた。この活動を
通して地域の自然を自分たちの手で大切にしていこうという意識の高まりが見られた。
イ 粟島の海の美しさを学ぶ学習(中学校)
粟島自然体験学校の方を講師に招いて小中が毎年隔年でカヌー教室を実施している。今年度は、中学生
全員がカヌー体験し、この活動を通して粟島の海の美しさを体感することができた。
ウ 粟島の「よさ」を知り、発信する活動(小学校、中学校)
小学校では、総合的な学習の時間に島のいいとこ発見「粟島一周ツアー」のテーマのもと、島のPRで
きる場所を自分たちの足で実際歩きながら探し、映像でPRする活動を実践した。この活動により、島の
よさを再認識し、これからも大切にしていかなければならない意識の高揚が見られた。また、中学1年生
は、地域学習の まとめで総合的な学習の時間を使って粟島の海を知る学習を行った。「漁」、「環
境」、「養殖と料理」の3つのテーマに分かれて地域の方々から聞き取り調査を実施し、聞き取った内容
をプレゼンテーションにより地域や保護者に発信した。
来年度の活動計画
①地場産業の体験学習
わかめ採り、枝豆の栽培体験学習、大謀網体験、自然教室(カヌー体験)、わっぱ煮作り体験 ②他地域の学校との交流学習 小学校(村上小学校) 中学校(神林中学校) ③地域を知り、地域を守る活動 生活科(馬と仲良し)、小学校総合的な学習の時間(粟島のいいとこ発見、粟島一周ツアーのための調査、PR活動)中学校総合的な学習の時間(粟島の海を知るための見る、知る、聞く、体験する活動)、浜清掃、クリーンアップ作戦 |