2019年度活動報告
本年度の活動内容
海洋, 環境
粟島浦小中学校は、日本海に浮かぶ人口約340人の離島にある。島内に高校はなく、中学校を卒業し進学する際には、家を離れ、本土で生活することになる。15歳で自立を求められるため、9年間を見通した社会性の育成が求められている。そこで、当校では「何事にも主体的に取り組む児童生徒の育成」を目標とした。
総合的な学習の時間や特別活動の時間を中心に、地場産業の体験学習、他地域の学校との交流学習、地域を知り地域を守る学習を行っている。
① 地場産業の体験学習
ア わかめ採り(小中学校合同)
伝統ある地場産業のわかめ養殖を、わかめ巻き(11月)から収穫(4月)、販売まで体験している。作業は全児童生徒と保護者や地域ボランティアで行っている。50年以上の歴史がある「わかめ採り」は、親や祖父母世代も体験してきたものであり、ボランティアで参加してくださる地域の方みんなが先生である。この活動でできた、乾燥わかめ、めかぶ、茎わかめは、村民や観光客に販売し、収益を児童生徒会費として学校の教育活動に活用している。
イ 枝豆の栽培体験学習(小中学校合同)
学校の近くに畑を借りて、粟島で多く栽培されている枝豆「ひとり娘」の栽培をしている。種まきや収穫の作業は全校児童生徒で取り組み、また、中学生が中心となり、草取り活動を行った。平成27年に中学生が総合的な学習の時間に考えた「ひとり娘」を使った枝豆アイスが委託製造され島内外で販売されている。栽培した枝豆はその原材料として利用されている。
② 他地域の学校との交流学習(小学校、中学校)
ア 小学校は年2回、中学校は年1回、他校を訪問している。当校ではできない、大人数の中での学校生活を体験する活動を通して、高校進学時の親元を離れての学校生活がスムーズに行えるための手助けになっている。
③ 地域を知り、地域を守る学習
ア 粟島の浜清掃活動(全校児童生徒)
6月に小中学生で組織される総務委員会の呼びかけのもと、これから海水浴でにぎわう粟島の浜がいつまでもきれいであってほしいという願いをもちながら一生懸命ごみ拾いを行った。空き缶や空き瓶、漂流物など、様々なごみが捨てられていたがこれらのごみを一つ残らず拾うことができた。この活動を通して地域の自然を自分たちの手で大切にしていこうという意識が高まった。
イ 粟島のわかめPR販売活動(中学校)
中学生が交流学習の一貫として村上の大型スーパーに出向いて自分たちの手で作った袋詰め乾燥わかめの販売を行った。予想した以上の集客があった。商品があっという間に完売したことはもちろんだが、自分たちの活動により多くの人々が粟島のわかめを評価し、買ってくれたこと、そして粟島を知ってもらえたことが喜びにつながっていた。
来年度の活動計画
①地場産業の体験学習
わかめ採り、枝豆の栽培体験学習、大謀網体験、自然体験(カヌー体験)
②他地域の学校との交流学習
小学校(村上小学校) 中学校(神林中学校)・民泊体験、粟島わかめPR活動
③地域を知り、地域を守る学習
生活科(馬と仲良し)、小学校総合的な学習の時間(粟島にすむ生き物観察・調査、粟島の魅力アップ大作戦)、中学校総合的な学習の時間(見る・知る活動、体験する活動、発展させる活動)、島びらきへの参加、浜清掃、クリーンアップ作戦