2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

海洋, 環境, 文化多様性, ジェンダー平等, 持続可能な生産と消費, 食育

 

粟島浦小中学校は、日本海に浮かぶ人口約350人の離島にある。島内に高校はなく、中学校を卒業し進学する際には、家を離れ、本土で生活することになる。15歳で自立を求められるため、9年間を見通した社会性の育成が求められている。そこで、当校では、「何事にも主体的に取り組む児童生徒」を目指す児童生徒の姿にした。

総合的な学習の時間や特別活動の時間を中心に地場産業の体験学習、他地域の学校との交流学習、地域を知り、地域を守る学習を行っている。また、昨年度より中学校を中心として海洋教育を推進し、海をテーマにした活動や総合学習を計画的に行っている。

① 地場産業の体験学習

ア わかめ採り(小中学校合同)

毎年、伝統ある地場産業のわかめ養殖を、わかめ巻き(11月)から収穫(4月)、販売まで体験してきたが、今年度、4  月のわかめ収穫については保護者と地域ボランティアの協力を得ながら活動を行った。50年以上の歴史がある「わかめ採り」は、親や祖父母世代も体験してきたものであり、ボランティアで参加してくださる地域の方みんなが先生である。この活動でできた乾燥わかめ、めかぶ、茎わかめの商品は、村民や観光客に販売し、収益を児童生徒会費として毎年、学校の教育活動に有効活用している。

イ 枝豆の栽培体験学習(小中学校合同)

学校の近くに畑を借りて、粟島で多く栽培されている枝豆「ひとり娘」の栽培をしている。種まきや収穫の作業は全校児童生徒で取り組み、また、中学生が中心となり、草取り活動を行った。平成27年に中学生が総合的な学習の時間に考えた「ひとり娘」を使った枝豆アイスが委託販売され島内外で販売されている。栽培した枝豆はその原材料して利用されている。

② 他地域の学校との交流学習(小学校、中学校)

毎年小学校は年1回、中学校は年1回、他校を訪問している。しかし、今年度も、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点を受けて年度当初計画していた小学校、中学校の春・秋の訪問活動を実施することができなかった。一方、小学校、中学校ともオンラインによる遠隔交流学習を県内外の学校と行うことができた。

③ 地域を知り、地域を守る学習

ア 粟島の浜清掃活動(全校児童生徒)

6月、小中学校で組織される児童生徒会の呼びかけの下、その後の水泳授業や海水浴でにぎわう粟島の浜がいつまでもきれいであってほしいという願いをもちながら一生懸命ごみ拾いを行った。空き缶や空き瓶、漂流物など、様々なごみが捨てられていたが、これらのごみを一つ残らず拾うことができた。この活動を通して地域の自然を自分たちの手で大切にしていこうという意識の高まりが見られた。

イ 粟島の海の美しさを学ぶ学習(小学校中学校)

粟島自然体験学校の方を講師に招いて小中が毎年でカヌー教室を実施していた。今年度は、より一層海洋教育を推進するため、小学生と中学生全員がカヌー体験し、この活動を通して粟島の海の美しさを体感することができた。

ウ 粟島の「よさ」を知り、発信する活動(小学校、中学校)

小学校では、総合的な学習の時間に「粟島のおいしさ大発見」のテーマのもと、島の伝統メニューを自分たちで調べ、画用紙にまとめ、県内外の学校にPRする活動を実践した。この活動により、島のよさを再認識し、これからも大切にしていかなければならない意識の高揚が見られた。また、中学3年生は、地域学習のまとめで総合的な学習の時間を使って「粟島の枝豆を使った枝豆シェイク」「粟島の魚を使った干物やふりかけ」の2つのテーマに分かれてそれぞれ商品化していく提案を考え、プレゼンテーションにより地域や保護者に分かりやすく発信した。

来年度の活動計画

①地場産業の体験学習

わかめ採り、枝豆の栽培体験学習、大謀網体験、自然教室(カヌー体験)、わっぱ煮作り体験

②他地域の学校との交流学習

小学校(村上小学校) 中学校(神林中学校) オンラインによる遠隔地との交流授業

③地域を知り、地域を守る活動

浜清掃