2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 平和, 人権, ジェンダー平等, 福祉, 持続可能な生産と消費

本校の学校教育目標は、「自分を生かし 人をいかして 共に生きる 」である。小中一貫校として9年間の児童生徒の学びと育ちを見据えつつ、SDGs持続可能な開発目標の実現に向け、課題を掴み自己の生き方を考え、仲間や地域の方等に発信していく活動を通して、よりよい社会を作るために自分たちにできることを実践する力の育成を目標としている。

環境に関わる学習では、小学校での学びを土台にしつつ中1で「ごみ減量に向けて」「エネルギー問題」「河川の環境問題」の3つのテーマについて学習を進めた。行政やNPOと連携し岐阜市のごみの現状やプラごみの処理問題を知り、その解決に向けた探究学習を行った。また、夏休みに家庭で実施した「エコワット」を用いた電気使用量の調査結果から、エネルギーの有効利用について考え実践した。さらに、河川環境楽園での指標生物観察を行い、命を守り育む環境をつくるために自分たちができることは何かを考えた。これらの学習をふまえ、よりよい環境にしていくために、自分たちはどのようなことをしていくのかを地域の方や保護者に発信する活動を行う予定である。

人権にかかわる学習では、9年間を通した自分と仲間を大切にしながら自己肯定感を高める活動を継続した。義務教育の出口である中3では、「生き方を見つめる」として「平和学習」と「岐阜市12の人権課題」の2つのテーマをリンクさせ学習を進めた。「戦争は最大の人権侵害である」という思いのもとに、外部講師による岐阜空襲や広島の原爆についての講話を聴いたり、調べ学習を行ったりするなかで、「平和な世の中をつくるために自分たちは何をすべきか」を一人ひとりが考え、実践する意欲が持てた。また、修学旅行では、被爆地・広島を訪れ、ボランティアガイドとの対話や資料館見学を通して、平和を守る決意を新たにした。「岐阜市の12の人権課題」では、子ども、女性、障がい者、高齢者、LGBTQなど興味関心のあるテーマを選択し、行政機関やNPO団体、専門家や当事者の取材等のフィールドワークを通して、現状や課題解決のための方法を知り、より良い社会にしていくために自分たちはどうするとよいのかを考え、仲間や地域の方などに発信し自己の生き方につないでいくことができた。

来年度の活動計画

来年度も、小学校におけるSDGsに関する学習とリンクさせながら、中1では『環境』中2では『仕事』中3では『人権』をテーマに学びを深めていく予定である。中1では学んだことをどう具体的に行動化していくかが課題なので、活動対象を自分たちの居住地域に広げていきたい。中2では、現在実施している職業講話や、職場体験、漁業体験等を通して働くことの意義と自己理解についての探究を深めさせたい。中3では引き続き『人権』をテーマに自分たちの足元の人権問題を掘り下げ、より良い社会を築くために自分は何をすべきかを考え実践していく予定である。

各学年とも小学校からの積み上げで、タブレット等での調べ学習や外部講師の活用、フィールドワークなど学び方は身に付けているので、より主体的な学びになるようにカリキュラムを工夫改善していきたい。また、それらの学習成果を保護者や地域の方々へ発信し行動化することで、学びの充実感や手ごたえを得させたい。