2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, 環境, 平和, 人権, 福祉

本校は、「自然を愛し 自立をめざす 心豊かな生徒の育成」を学校教育目標とし、地域交流及び地域素材を生かしたESD教育活動の実践を通して、郷土を誇りに思い、地域に貢献できる生徒の育成を目指している。
具体的には地域探究活動を通して、安心安全でよりよい足守中学校区を目指し、減災・防災学習を実施した。また、太平洋戦争下の日本でどんなことが起き、人々の生活はどのようであったかなどを学ぶ授業や人権意識を高める授業を行い、人権啓発活動を行った。
人権意識を高め、人権啓発活動を行った。
(1)減災・防災学習
足守中学校では、「防災・防災学習」として、住んでいる地域や保幼小との関わりを大切にして、その分野の専門の方に話を聞いて知識や体験を学び、自分たちにできることを実践し、発信する活動を進めている。
1年生は、岡山市危機管理室の方を講師に迎え、「西日本豪雨と減災・防災」についての話を聞き、班で調べ学習を行った。実際に起こり、地域にも被害をもたらした自然災害について後世に伝え、今後起こりうる自然災害の被害を減らすための知識や方策をスライドにまとめ、文化祭で発表した。
3年生は、1年生時に学んだ減災・防災に関する知識を実際に行動に活かす体験活動を中心に行った。具体的には、「防災学習クロスロードゲーム」「ももたろうの防災」を使い、いざというときの行動について考えた。また、「高解像度降水ナウキャスト」「洪水・土砂災害ハザードマップ」やクロムブックを使って、各自が家の近くの情報を調べたり、避難所運営ゲーム(HUG)の実践や防災グッズ作りに挑戦し、避難所での生活について考えた。地域との連携を図り、公民館の方から意見をいただくこともあった。文化祭では、6つのテーマごとに1・2年生に向けて実践発表を行った。実践発表では、3年生と一緒にHUGを体験したり、段ボールや新聞紙で椅子・ベッド・スリッパを作ったりするなどの体験活動も盛り込まれ、生徒が身近な問題として「減災・防災」を捉え、防災意識を高めながら、楽しく防災を学ぶ工夫を考え、伝える活動となった。住んでいる地域の災害の特徴や、災害時における各機関の活動などについて知り、中学生として自分たちの地域でできることは何かを考える学習活動となった。また、自分の考えを伝えるにはどうすればよいか考え、相手や目的に応じて効果的に発信できるよう、「対話型」の発表を実践した。
3年生が行った「対話型」の発表は、ESDの問題解決に必要な「7つの能力・態度」の中の「コミュニケーションを行う力」「他者と協力する力」「つながりを尊重する態度」に関わるものであり、1・2年生にとって良い手本であり、目指すべき姿に他ならない。学びあいや連携が大切であり,減災・防災学習を進めていくうえで、地域の一員として何ができるかをしっかり考えることができた。また、公民館の協力を得ながら進めてきたことで、地域と学校の連携や地域を大切に思う心もつなぐことができたと思う。
(2)平和・人権
毎年1学期の初めに、1年生は閑谷研修、2年生は広島研修、3年生は沖縄修学旅行(本年度はコロナの関係で四国に変更)を実施している。各学年の行事に向けての取り組みの中で、1年生は地元岡山を知る上で「岡山空襲」を、2年生は「広島・長崎への原爆投下」、3年生は「沖縄戦」について学んだ。命が不条理に奪われることなく、すべての人が健康で安全に暮らすことができる世の中にするにはどうすればよいかを考え、劇や群読、壁新聞、スライド形式で発表し、学びを共有した。また、人権週間に合わせて、日々の生活における身近な平和についても考えさせ、学校全体で人権標語を考えた。でき上がった標語は各クラスの「人権の木」として、校内に掲示した。人権感覚を高め、自分も仲間も大切に生活していこうとする生徒を育てていきたいと思う。

来年度の活動計画

大筋は2022年度と変わらない方針である。
減災・防災学習は1年生から3年生まで一本の柱として行う。特に3年生では、「発信」をテーマに減災・防災学習を進めていく予定である。地域の一員として何ができるのか、普段からどんな備えが必要なのかなどを考え、学年で工夫した発表形態で生徒・保護者・地域に向けて発信していきたい。発表の場は文化祭を予定している。
また、平和学習についても今年度同様、各学年の研修旅行や修学旅行前の取り組みとして、事前学習を行い、研修後に劇、壁新聞、模造紙、スライドなどの発表形態を用い、全体で共有したいと考えている。戦争の悲惨さや平和の尊さを学ぶとともに、日々の生活における身近な平和についても考えさせ、人権週間の取り組みへとつなげたい。