2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, 国際理解, 平和, 人権, 福祉

  本校では、「地域を学び、地域と共に生きる力」の育成を目指し、ESDの考え方のもと(特に、多面的・総合的に考える力、コミュニケーションを行う力、つながりを尊重する態度の視点)、地域や地域の人との関わりやつながりを大切にした実践を、生活科、総合的な学習の時間を中心に行った。①愛着のある地元地域をフィールドに、どの学年も実態に応じたテーマを設定し、課題解決に向けて、児童が主体的に学習を行っている(地域を学び、地域と共に生きる活動)のが特徴である。学年の発達段階に応じて視野や活動範囲を広げながら、自分が住む地域のよさを再発見し、愛着をもち、その地域の一員として、自分にできることを考え実践することを目指した学習活動である。地域で学び、その中で、多くの人々の思いや考え、生き方にふれ、自分自身の生活や生き方を考えていこうとする力や態度を育んでいる。この各学年のテーマに応じた学習に加え、②アフリカのモザンビーク共和国【以下:モザンビーク】と関連のある学習や関わりのある活動を全校で行っている。今年度で13年目を迎えており、本校の特色となっている学習である。また、カンボジアの地雷撤去のための支援等、関わる国を広げ国際理解教育を行っている。NPO法人えひめグローバルネットワークをはじめ、地域、大学、企業、団体等多様な方とのつながりが定着し、専門的な知識や豊富な経験等を生かし、③様々な体験やつながりを重視した活動を展開することができるようになってきている。
① 地域を学び、地域と共に生きる活動
全ての学年、発達段階に応じて系統的な学習を行った。1年生は、地域の高齢者クラブの方との交流を通して、地域の温かさを感じ取り、2年生は、自分たちで地域に出掛け、地域のよさを見付けた。3年生の総合的な学習の時間では、地域の人と交流し、「すてきを探る」という課題を解決し、そこから得た生きるヒントを
生かし、「今の自分たちにできること」を実践した。4年生は、福祉と防災の視点から地域のために自分にできることを考え、5年生は、「100年前」から「100年先の未来」という長いスパンで地域を見つめ直し、これからの地域と自分の生き方を探る学習活動を行った。そして、6年生は、5年間の学びを基に、地域、世界、自分の未来に目を向けた学習活動を展開し、実践を行っていく。先に述べたESDの視点での学習活動を展開し、「今の自分だけでなく、これからもずっと、みんなが幸せに生きていくことができるような学び」ができる児童を育てている。
②モザンビーク・カンボジアとのつながりを大切にした国際理解教育
③様々な体験やつながりを重視した活動
総合的な学習の時間において、えひめグローバルネットワークと連携し、モザンビークの留学生との交流等、モザンビークとの関連単元を3~6年生に位置付けている。これらの系統的な学びを展開する中で、児童は、自然にモザンビークとのつながりを意識し、6年生が発信するモザンビークやカンボジアとつながる活動(支援活動等)にも積極的に参加している。また、今年度は、東京オリンピックに向けて、モザンビークオリンピック委員会の方の訪問を受け、全校体制でのセレモニー、交流を行った。本校とモザンビークとの13年間の交流の歴史を伝え、全学級で交流を行った。オリンピックに向けての応援メッセージを伝えたり、全校で手作りした応援旗を披露したりもした。このような活動を継続することで、児童には、モザンビークとのつながりを大切にする心と共に、世界を意識した広い視野と国際感覚が育まれていくことを今後も期待する。

来年度の活動計画

 ①地域を学び、地域と共に生きる活動については、今後も内容を精選、修正しながら、さらに新しい取組を導入していく。児童一人一人が地域とつながりを深め、自分ごととして地域の未来と自分の生き方を考えることができるような充実した学習活動を目指す。
 ②モザンビークと関連のある活動については、これまでの交流の経緯を大切にしながら継続していく。より、広い視野で国際理解教育として推進したい。
③様々な体験やつながりを重視した活動については、地域の方々やえひめグローバルネットワークをはじめとした専門機関との連携を大切にしながら、児童にとって実感のある学びを保障できるように努めていく。また、昨年度報告した、JRC・ESD委員会を中心としたユネスコスクールとしての児童による主体的な活動も継続していく。