2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

文化多様性, 国際理解, 平和, 人権

  本校は、「本校で学んで良かったと思える教育の提供」を使命として、その追求を通じて(1)主体的な学びを促す教育の推進、(2)グローバル教育の推進、(3)地域の期待と信頼に応える教育の推進の三つの将来像を実現しようとしている。ESDはこの教育推進目標達成のための要として捉えている。

具体的には、国際理解を中心として、①平和構築に係る活動、②文化多様性の尊重に係る教育について学習を行った。

①  平和構築に係る活動 (英語紙芝居ボランティア,サマーセミナー)

 

近隣中学校と連携し、8月6日に広島平和記念公園で英語紙芝居の朗読を行い、外国人参拝者に「平和」のメッセージを届けた。事前に、夏季休業を利用して中学生に英語の発音指導をしたり、合同で読み合わせの練習をしたり、一緒に平和の願いを込めたしおりを作ったりなど、協働して活動を続けている。いろいろな国・地域の人と平和への願いを共有することができ、生徒たちが平和について真剣に考える機会になっている。

サマーセミナーでは平和記念公園で英語通訳ガイド体験を行った。事前に平和記念公園や広島の歴史について英語で学習し、実際に現地では外国人観光客にガイドを行い、平和についてインタビューをするなどして交流を深めた。これからは自分たちの世代が主体となって平和を語り継ぐべき存在であることを自覚し、平和とは何か、自分たちにできることは何かなどについて考えを深めることができた。

  ②文化多様性の尊重に係る教育(国際交流、国際理解講演会)

姉妹校生徒や長期交換留学生による授業では、1・2年生の全てのクラスで母国の文化や母校の様子などを英語で教えてもらい、質問したり意見交換を行ったりするなど、全校的な国際交流にすることができた。県内在住の海外留学生との交流会では、母国の文化や現在の様子・課題などを話してもらった。また、お互いの国の文化や制度の違いなどについて比較し、まとめた。同じ高校生同士での交流ということもあり、文化や価値観の違いを越えてすぐに打ち解け、お互いを認め合う姿が見られた。

青年海外協力隊体験者による講演(JICA国際協力出前講座)では、派遣先の国で異文化理解に苦労したことや、SDGsの理念と併せて高校生でもできる持続可能な国際協力の在り方などの話をしていただき、生徒は国際協力への関心が高まった。また、仕事の苦労ややりがいについても触れていただき、生徒の職業観も深めることができた。

来年度の活動計画

 SDGsに係るスピーチ指導をホールスクールアプローチで行い、生徒一人一人が自らテーマを設定し、調査・研究し、英語でスピーチが発表できるよう指導していく。原稿を作成するにあたり、持続可能な開発に関する価値観を育てていくとともに、スピーチの発表を通してコミュニケーションを行う力を養っていく。特に国際科では、「平和」を探究テーマとして設定し、3年間をかけて様々な体験を通して考えを深める。

 国際協力の現状を理解し、主体的に課題解決に取り組む力を涵養するため、JICAを訪問し、国際理解教室に参加する。海外での支援の体験談を聞くことで生徒の国際協力や異文化理解に対する関心を高める。

 交換留学生や姉妹校留学生の受入れも継続して行い、多くの生徒と交流できるよう計画し多様性の尊重、非排他性といった持続可能な開発に関する価値観を涵養する。

 地域や企業との連携を更に深めていくことで地域社会に貢献し、主体的に課題解決に取り組もうとする生徒の育成を目指す。