2018年度活動報告
本年度の活動内容
国際理解, 平和, 人権, 世界遺産・地域の文化財等
本校の教育目標に、「自ら学び、考え、実践できる次代の担い手として、社会に貢献できる人間の育成をめざす」と定めている。具体的には、①国際理解・文化多様性②地域の伝統文化と歴史・文化遺産③持続可能な開発のためのグローバル目標の達成の3点を柱に、各教科、クラブ活動、課外活動等を通して学習を行った。
①国際理解・文化多様性
本校では、昨年度よりドイツのGymnasium Ernestinum Rintelnと姉妹校交流を行っており、今年度は9月に11名の生徒を約10日間受け入れ、本校生徒宅でホームステイをしながら、授業体験などを行い、交流を深めた。法隆寺見学の際には、本校のUNESCO同好会の生徒が英語で寺内の案内をし、歴史的・世界遺産的な意義について説明を行った。法隆寺案内は国内外に関わらず、留学生や外部の来客が来た際に同クラブの生徒が行っている取り組みである。
今年度末の3月には以前より姉妹校交流を行っているオーストラリアのMount Lylidale MercyCollegeに19名の生徒を派遣し、交流とともに国際理解を深める学習を行う予定である。
②地域の伝統文化と歴史・文化遺産
本校では、第一学年生徒全員で世界遺産の法隆寺を見学し、歴史文化科生徒が他の学科の生徒に仏像や建物について解説する行事を行っている。このような学年全体の行事を通じて、郷土の文化遺産を学ぶ機会を設けている。
歴史文化科では学科の専門科目において、地元奈良や近畿地方の寺院や神社、博物館、研究機関、大学、図書館等を訪問しその価値と普遍性について自ら学び、文化遺産の保存や伝承の方法について考えさせ、広く人類の文化に貢献するような教育活動を実施している。
普通科と総合英語科では、1学年の総合学習の時間に、郷土の歴史や持続可能な発展について自ら考える機会を設けている。生徒会活動においても、町内の中学校と協力して清掃活動を行ったり、町の活動に協力してボランティア活動を展開したりしている。
③持続可能な開発のためのグローバル目標の達成
ホールスクールプロジェクトの一環として、総合的な学習の時間の中で、持続可能な開発のためのグローバル目標(SDGs)の理解と行動を促進する授業を2年生の普通科・総合英語科全てのクラスで行った。ESDの理念に則り、授業形態も単に知識の伝達にとどまらず、体験を重視して、探求や実践を重視する参加型アプローチをとった。
以上の学習活動の成果として、毎年地元のホールで開催している本校生の発表会「ユネスコフォーラム」において、持続可能な発展、環境問題に関する啓発活動、歴史や伝統、郷土の文化に関する調査研究、国際理解と国際交流についての発表などを実施し、全校生徒に呼びかけている。生徒たちが環境問題や国際理解、郷土の伝統文化などについて興味・関心を持ち、真剣に考える機会となっている。
来年度の活動計画
来年度も今年度と同様に、3つの柱を基本として、ESDの実践をしていく予定である。そして、その学習と活動の成果を年度の後半に行われるユネスコフォーラムで発表し、報告の場としていきたい。
歴史文化科の生徒は、従来どおり3年間の課題研究の成果として卒業前の3年生が主体となって発表していくが、総合英語科に関しては、2年生が発表の主体となっていく予定である。普段の授業の中で触れられている、環境・異文化理解・平和・人権など生徒の興味と関心に合わせて選んだテーマについて探求し、英語で発表する。
国際交流に関しては、来年度はオーストラリア姉妹校の受け入れとドイツ姉妹校への派遣があるため、事前指導を強化し、国際理解教育を充実させたい。