2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 環境, 国際理解, 平和, 人権, 福祉, 持続可能な生産と消費, 減災・防災, 世界遺産・地域の文化財等, 健康, グローバル・シチズンシップ教育(GCED)

 当校はESDを地域における課題解決型学習や国際問題に対する探究活動と捉え、創造科学科(40名)および、普通科学校設定科目「グローバルリサーチ」受講者(40名)対象に「文理の枠を超えた学びを通じて、複雑で正解のない問題の解決に主体的に挑戦しよう!」をテーマに活動した。この活動の目標は、ESDの実践を通して「社会創造力」「科学的思考力」「複眼的思考力」「自律的活動力」を育成することである。具体的には、地域における課題解決に係わる活動、国際問題探究に係わる学習、自然科学研究に係わる学習を行った。

 地域における課題解決に係わる活動

 学校設定科目「創造基礎」において、創造科学科1年を対象に、学校所在地の神戸市長田区の地域課題解決学習および実践活動を行った。おもなテーマは、地域の緑化を促進するイベントを考えた「活緑あるまちをつくろう」や、高齢者ケアセンターの交流会で簡易なスポーツを提案した「棒サッカーで認知症理解にshoot!」などである。

 617日、神戸市長田区にあるふたば学舎にて、当校生徒が企画立案した「ベトナムと長田をつなぐ交流会」を神戸ベトナム人会、長田区役所、神戸市役所の方々と共催で行った。生徒12名で運営し、40名のベトナム人や地域住民が参加して多文化共生の視点から交流を深めることができた。

 国際問題探究に係わる学習

 学校設定科目「創造応用ⅠL」において、創造科学科2年を対象に、SDGsにもとづく国内を含む国際問題について研究し、課題解決のための提言をおこなった。おもなテーマは、「日系ブラジル人のアイデンティティ教育」「ベトナムにおける給食制度改善への考察」「外国人労働者に多く来日してもらうために」などである。また、グローバルリサーチ受講者も同様に国際問題について研究した。おもなテーマは、「外国人が住みやすい地域社会を考える」「家畜に与える抗生物質からみた薬剤耐性菌蔓延防止策への考察」「難民支援における言語支援の在り方」などである。

③   自然科学研究に係わる学習

 学校設定科目「課題研究」において、創造科学科1年を対象に、神戸大学大学院人間発達環境学研究科の大学院生とともに共同研究をおこなった。おもなテーマは「環境DNAによるウナギの分布調査」「植物と土壌の関係」などである。また、学校設定科目「創造応用ⅠS」において、創造科学科2年を対象に、大学教授等とともに研究をおこなった。おもなテーマは「泥を用いたゼロ円燃料電池」「野生動物との街での共存」などである。

来年度の活動計画

 今年度同様、地域の課題解決型学習、国際問題の探究活動、自然科学研究を実施していく予定である。この活動のなかに、よりSDGsを意識したテーマ設定や解決策の提案をしていけるよう指導していくつもりである。同時に、指導者もSDGsを深く理解し、生徒の研究をサポートしていける体制をより明確につくっていくことを次年度の課題としたい。

 また、当校では2年生でベトナムとイギリスに研修旅行を実施している。その内容にESDの観点からプログラムを実施できないか検討をしていきたい。事前学習と事後学習を含め、地域の課題解決型学習を国際問題の探究活動へとブリッジする取り組みとして、ESDSDGsのテーマをより意識した活動にしていきたいと考えている。