2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 国際理解, 平和, 人権, 食育

 本校は,ミッションスクールとして「キリスト教的人間観に基づく人格の形成」を教育目標としており,それを土台としたESDの実践を通して,児童・生徒の「様々な活動を通して得た知識を,キリスト教的価値観に基づいて活用し,現代社会の課題を解決しようと行動する態度を育む」ことを目標としている。

 今年度は,1年生から9年生まで全学年「人権教育」を柱に活動を行っている。「いじめ」や「難民」といった人権に関わる深刻な社会問題を扱う活動は,児童・生徒がよく知り,考え,具体的に行動するという観点で非常に価値のあるものである。本校で学び卒業した児童・生徒一人ひとりが,世の中においてキリストの愛を実行し,他者と手と手を取り合っていける「持続可能」な態度を醸成したいと考え,このようにテーマを設定した。

 今年度の具体的な活動例として「哲学対話」が挙げられる。哲学対話とは,普段当たり前のこと(自明のこと)として捉えている事柄に対して,そもそもそれは何なのか,どういうことなのか,本当にそんなことが言えるのか,などと言った遡行的な問い(根本へと立ちかえる問い)を立て,対話を通して哲学的に考え真理に至ろうとする思考の活動である。クラスメートと「対話」する際には,その前後にワークシートに記入をする。記入するのは,”Before Answer”(対話前の自分の考え)や,”After Answer”(対話後の自分の考え),また,参加姿勢の振り返りや感想等である。哲学対話は「そもそもなぜ持続可能な社会を目指すのか?」といった,ESDの理念について対話を通して思考し,自他の考えを知り,深め合う活動であり,子どもたちのESDに対する原動力を刺激するのに大変有効である。今後,この活動を本校のESD計画にどのように位置づけるか,検証していきたい。

来年度の活動計画

 次年度は,今年度に引き続き「人権」をテーマにESDを計画・実行していきたい。本校の教育理念とESDは目指すべきゴールこそ近しいものの,実際の活動においては,まだ整理されていない部分も多い。テーマにおける各活動の位置付けを見直したり,より有機的な教科・活動間の結びつきを計画に組み込んだりすることで,より広く,より深い人権教育を目指していきたい。

 一方で,実践の目標を明確化するのに,SDGsの浸透を推進したい。ESDの実践を進めることが,世界全体で達成すべき目標であるSDGsの達成につながるというビジョンを,児童・生徒に分かりやすいかたちで提示していこうと考えている。

 これらを通し,ミッションスクールとしての本校のESDを確立していきたい。