2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

海洋, 減災・防災, 環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 平和, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育

大牟田市立白銀中学校は、大牟田市立田隈中学校の一部及び大牟田市立橘中学校と大牟田市立甘木中学校が統合し、令和7年度に開校しました。

(旧)大牟田市立田隈中学校

本校は、「将来の生き方を思い描き、社会に貢献する」を学校理念として、ESDを大きな夢を抱き未来を創る子どもの育成と捉え、ESDの実践を通して「課題解決力、新たな知識や価値観や行動力・体系的な思考力の育成」を目標とした。
例年、健康・福祉、人権・平和、世界遺産・地域遺産を柱に、①福祉事業に係わる活動、②平和学習に係わる教育、③職場体験に係わる学習、④地域に係わる学習、⑤地域とつながる活動を行っている。
(ア) 健康・福祉事業に係わる活動(SDGs1,2,3,10,17)
車いす生活で肢体が不自由な方々との交流や点字等の取り組みをしている高校生との交流を通して、「障がい」について理解を深めることにより、積極的に関わる意欲を高め、困難なこともチャレンジすることが大切だと考えることができるようにしている。
食育では、基本的な生活習慣と朝食の大切さ、給食においてその時間に食材の栄養価の説明し、残食をゼロにする取組を実施した。
(イ) 平和学習に係わる教育(SDGs16,17)
2年生の修学旅行において、大刀洗平和記念館を見学して、戦争の記録を直視し、様々な資料について自主的に調べ、施設の方ら話を聞くことを通して、平和について知識を深め、これからの自分にできることを考え、行動しようとする気持ちが高まった。
(ウ) 防災に係わる学習(SDGs3,8,11)
災害の種類や, 「自助・公助・共助・N助」の4助といった防災・減災に関する基礎知識について理解を深めた。その発展の場として、乳幼児やペットのいる家庭、障がいを持っている方や高齢者など,災害が起きたときに自分で避難するのが困難だと考えられる人々について,それぞれの立場にたって,災害時に困ることを考え,その解決策を調べ,まとめる活動に取り組んだ。
(エ) 地域に係わる学習(SDGs4,9,11)
大牟田検定に向けて、世界産業遺産をもつ大牟田市の一員として、歴史とともに日本が誇る文化遺産について学習し、大牟田の石炭産業と近代化遺産について教材集等で学び、一人一人が郷土大牟田に誇りを持ち、ふるさとを愛し、それを守り発展させるために自分にできることを考え、行動しようとする気持ちが高まった。
(オ) 地域とつながる活動(SDGs11,17)
「花」を通して日頃からお世話になっている地域の方々や小学校と連携したとつながり、「感謝」の気持ちを伝える「フラワープロジェクト」の取り組みを行っています。生徒会役員や環境委員が中心となって、ノースポールの種を本校昇降口前の花壇にまき、毎朝の水やりや定期的な草取りを行い、2月から3月に花が咲くのを楽しみにしています。

(旧)大牟田市立橘中学校

本校は、学校教育目標を「志を持って、自ら学び、未来を切り拓く生徒の育成」とし、ユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野のうち、特に「持続可能な開発および持続可能なライフスタイル」を中心に学習し、目標に向かい主体的に学び、知識・技能を使いこなす生徒の育成を図った。

(1)地域における防災・減災に関わる学習(SDGs1

1「住み続けられるまちづくりを」)

第1学年では、市役所の防災担当の方をゲストティーチャーとして招き、防災・減災教育に取り組んだ。令和2年7月や令和3年8月の豪雨における市内・校区内の状況や防災活動の事例をもとに普段の心構えや避難の仕方等について学び、防災・減災についての意識を高めた。その後、グループに分かれてフィールドワークを実施し、学校周辺の危険箇所の確認を行った。防災グッズについても、実物を手にしながら調査を行い、防災グッズの種類や使い方等を学んだ。

(2)働きがいについての学習(SDGs8「働きがいも経済成長も」SDGs4「質の高い教育をみんなに」)

第2学年では「人はなぜ働くのか」をテーマに、働くことに対して自分なりの考えをもった後で家族や身近な人にインタビューを行い、働く目的や目標、働く意義についての理解を深めた。その後、商工会議所や一般社団法人の協力のもと、講話と体験学習を実施した。講話では、地域で働く様々な職業の人から話を聞くことで、利益を求める事以外にも地域貢献や担い手の継承など働く意味がいくつもあることについて知ることができた。体験学習では、大牟田の特産品を使った新しいスイーツの商品企画書作成を学級の班ごとに行った。企画商品の発表会では、地元の菓子職人の方などに審査員となっていただき、自分たちの企画したスイーツを班ごとにプレゼンテーションした。グランプリに選ばれた「石炭シュー(商品名「橘クロえもん」)は、地元の菓子店によって実際に製品化され、大型商業施設で開催された「秋の肉まつり」にて販売された。生徒たちは商品の準備や店頭での販売等の体験を通して、仕入れや価格設定等商品の販売に関わることだけでなく職人・企業の方々の商品開発にかかる思いや熱意についても学ぶことができた。

 

 

(3)将来の生き方に関わる学習(SDGs8「働きがいも経済成長も」)

第3学年では「自分の生き方を考える」をテーマに、キャリア教育として高校の授業体験や高校の先生による講話を実施した。授業体験では、近隣の高校から先生と生徒に来校していただき、様々な学科の体験授業を受けた。また、講話では市内の高校の先生を講師として招き、自分の適性や進路、職業選択の心構え等について話を聞いた。生徒たちは授業体験や講話を通して、将来の生き方について様々な視点からじっくり考えることができた。

(旧)大牟田市立甘木中学校

本校は、実社会や実生活とのかかわりを重視した「生き方」に焦点を当て、各学年の発達段階に応じた体験活動を展開し、生徒に主体性や創造性を身につけさせることをテーマとしている。具体的には、キャリア教育を軸としている。1年生では、「福祉体験及び将来の生き方」について計画していたが、「福祉体験」については実施する事ができなかった。その代わりに新聞づくり体験や地元の働く人の体験を聞き、地元への愛着心を育むことができた。2年生では、「地域の産業に学ぶ活動」として、市や高校、大学生との交流を通して働くことの意義や喜びを学び、生き方について考えを深めた。3年生では、「将来を見つめる活動」として、自分の進路に向けた学習を行った。どのような進路があり、それぞれの進路先でどのようなことを身に付けることができるのかを学習した。このことにより、自分の夢を見つけ、それを実現させるために、どのような資質・能力を身に付けるべきかを考えさせている。中学校3年間を通して、地域で体験し、地域のことを学び、地域で自分の将来を見つめることにより、よりよい生き方、よりよい人間関係を育み、また、自分の成長と地域の発展が密接に関係していることを考えさせ、この大牟田の将来を真剣に考える生徒を育てていきたい。

 

① 地域で働くことついて考える活動(1年生)(SDG 3、11)

卒業生の弁護士や事業主の話を聞いたり、新聞社の講話や新聞づくりをとおして自分にできることを考え、自己の将来の進路や生き方の選択に生かすための学習を行った。

卒業生の弁護士からの講話
西日本新聞社の講話と新聞づくり

 

② 地域に学ぶ活動(2年生)(SDG 8、17)

地域の様々な職種について調べ、市や高校、大学それぞれの専門的な分野から話をしてもらい、協力・協働的な体験学習を行った。

市産業振興課からの講話
高校生との交流体験

 

③ 将来を見つめる(3年生)(SDG 8、17)

自分の適性を知り、具体的な進路について考え、進路実現のために、現在の自分をみつめる機会とした。

高校生との交流体験

 

 

来年度の活動計画

(旧)大牟田市立田隈中学校

次年度も、引き続き、新型コロナウイルス感染症拡大防止のために、通常とは異なった様々な取組をしていくことが想定される。体験活動自体をすすめていくことは、かなり困難になると思われるので、オンラインを活用した交流や、ゲストティーチャーを招いての活動を設定していきたい。
1学年は、福祉事業と平和学習に係わる活動
地域学習では、大牟田検定による学習(SDGs9,11)
福祉学習では、GTを招いての車いす体験学習(SDGs3,10,17)
平和学習では、GTを招いての平和と人権についての学習(SDGs10,16,17)
2学年は、防災学習と地域に係わる活動
地域学習では、大牟田検定による学習、GTを招いてのキャリア学習(SDGs8,9,11,17)
防災学習では、さまざまな災害を想定した学習(SDGs3,8,11)
3学年は、福祉事業に関わる活動
キャリア学習では、様々な職種のGTによる講話(SDGs4,8,9)
地域学習では、大牟田検定による学習(SDGs9,11)
福祉学習では、幼児教育のGTを招いての体験学習(SDGs3,17)
全学年(生徒会活動)は、フラワープロジェクトを通して、地域とつながる活動(SDGs11,17)

(旧)大牟田市立橘中学校

第1学年では、地域の人々を招いて行う防災・減災教育を継続し、SDGs11「住み続けられるまちづくりを」の実現を目指した学習を計画している。
第2学年では、新型コロナウイルス感染症の感染状況にもよるが、世界遺産学習として奈良・京都を訪問し、グループによる自主研修を行う。特にSDGs11「住み続けられるまちづくりを」の中の「世界の文化遺産及び自然遺産の保護・保全の努力を強化する。」に着目し、世界遺産の歴史や保全の努力についての学習を計画している。
第3学年では、SDGs8「働きがいも経済成長も」の「就労、就学及び職業訓練のいずれも行っていない若者の割合を大幅に減らす」やSDGs4「質の高い教育をみんなに」の「技術的・職業的スキルなど、雇用、働きがいのある人間らしい仕事及び起業に必要な技能を備えた若者と成人の割合を大幅に増加させる」に着目して学習し、な地域社会を維持・発展することについて学ぶことを計画している。

(旧)大牟田市立甘木中学校

本校では、3年間を通した学習と同時に、各学年でもそれぞれにSDGsを目指した学習を実施していく。

(全学年)

・人権学習や国際理解教育を通して、人と人とのよりよい人間関係を構築し、コミュニケーションを積極的に行う態度や他     者と協力する態度を育てる。(SDG 10、16)

・中学校3年間を、キャリア教育を軸として、地域のことを体験し、地域で学び、地域で自分の将来を見つめることによっ  て、よりよい生き方、よりよい人間関係を育むとともに、自分の成長と地域の発展が密接に関係していることを考えさせ、この大牟田の将来を真剣に考える生徒を育てる。(SDG 8、17)

(第1学年)

・将来の夢や職業について学習する。地元の農業や漁業について学んだり、地域の働く人を招いて講演を聴いたり、地域の防災についても考えさせる。(SDG 8、13)

・福祉体験学習を通して、「ともに学び、ともに生きる」理念を学習し、すべての人々がこの社会の中で誇りを持って、心豊かで幸せな生活を送ることができるような心を育てる。(SDG3、11)

(第2学年)

・他の地域や文化に触れ、さまざまな生活体験や社会体験、自然体験等を通して、これからの地域社会において必要な「生きる力」を育てる。(SDG 17)

(第3学年)

・進路学習を通して、様々な人たちとのコミュニケーションをとり、多様な価値観を持つ人々と協力、協働しながら社会に貢献することができる「創造性豊かな能力」を育てる。(SDG 17)

(生徒会)

・エコキャップ運動や校区内での定期的な挨拶運動・清掃活動を行い、環境や環境問題に対する興味・関心を高め、必要な知識・技術・態度を身につけさせ、自分たちの未来につなげる心を育てる。(SDG 7、12)