気仙沼市は南北に長く且つ変化に富んだ海や山、そして市街地を持っているが故に、各学校は大きく異なる自然環境や社会環境に囲まれており、学校を中心とする連携もそれぞれに特徴あるものになっています。
この気仙沼ESD共同研究紀要は、前中井小学校及川幸彦教頭(現気仙沼市教育委員会)を始めとする気仙沼市立学校教頭会研究部会のESDについての研究が基になっていて、市内の学校教育におけるESDの推進状況の分析と、各学校の実践計画及び実践して見えてきた課題を含む活動報告(実践事例)から構成されています。当地域のESDが、学校としての実践やそのための方法の集積の段階から、実践の段階を把握しつつ、結果・効果を見取っていくことを意識する段階に入ったこと示しています。
気仙沼市は、3.11の東日本大震災によって大変大きな被害を受けました。しかし、気仙沼がこれまで努力してきたESDの研究成果を、全国のユネスコスクールに伝えていくことは、気仙沼の教育に与えられた使命です。本紀要が、各学校での次年度以降の実践に活用されることを願っています。