奈良教育大学附属中学校
交流相手国/地域 韓国 / プチョン
交流相手学校名 Bucheon Ilsin Middle School
交流期間 2023年7月1日 ~2023年12月20日
交流方法 手紙, メール, ビデオレター, オンライン交流, 会議   ・互いに、自国で人気の駄菓子を生徒達が送り合いました。 ・調理実習用の調理キットを送り合いました。
学習分野 文化遺産, 異文化間の対話, 持続可能な開発目標(SDGs), 持続可能な開発
交流目的

① 共に交流授業を開発する過程で、両国の教師が学校教育や文化について理解を深める。
② 生徒に自国の文化や特徴について理解を深める機会を作る。
③ 生徒に異文化理解の重要性を体験的に感じさせる。
④ 海外の同世代との交流を通じて、生徒に自身のコミュニケーションスキルやプレゼンテーションスキルを磨く重要性を感じさせる。

交流内容

【7月・8月】教員打ち合わせ
目的、日程、内容、方法を英語で打ち合わせしました。2022年度にも交流をしていたため、日程以外はスムーズに決まりました。また2年目ということでより新しいことに挑戦しようという話が出来ました。

【9月初旬】Padlet交流
第1回交流に向けて、両国の生徒が自己紹介動画を撮影し、Padletに投稿しました。交流が始まる前に、互いにどのような学生がいるのか、その人たちはどのようなものが好きなのかを知っておくことで、その後のオンライン交流に深みが出ると考えました。

【9月末】第1回交流
第1回交流は2つの内容がから実施しました。
1つ目は学校紹介です。本校は主に英語で、時々韓国語を用いて学校紹介プレゼンを行いました。相手校は主に日本語で、時々英語を用いて学校紹介をしてくれました。本校と同じくプレゼン形式の学校紹介ではありましたが、参加生徒一人ひとりが撮影した家や街の様子などを伝える動画も織り交ぜてあり、内容がとても興味深かったです。本校の生徒達は文化や街並みの違いを知ることを楽しみつつも、相手校生徒たちのプレゼン能力の高さに驚いていました。
2つ目の内容は、ペア・トーク交流です。Zoomのブレイクアウトルームを利用し、本校の生徒2名と相手校の生徒2名とで自由にオンライン対話を楽しむ時間を取りました。互いに合計20名ずつの参加生徒がいたため、10グループに分かれての対話でしたが、どのグループも英語と韓国語、日本語を駆使して楽しそうに交流していました。

【10月中旬】調理実習動画の作成
今年度は、お互いの国の伝統的なお菓子を作ってみようという活動をプログラムに盛り込みました。韓国の生徒にはみたらし団子を作ってもらい、本校の生徒はホットクを作ることにしました。
韓国の生徒にみたらし団子を作ってもらうにあたって、ただ調理キットやレシピを送るだけでは味気ないということになりました。そこで生徒達がみたらし団子を実際に作り、その様子を動画で撮影し、どのようにすればみたらし団子が作れるのか英語で説明する調理実習動画を作成しました。本校の生徒たちも、みたらし団子をどのようにして作れば良いのか知らなかった生徒もいたため、とても楽しそうに作り、撮影し、英語で解説してくれていました。
そして完成した動画はPadletに投稿しました。

【10月中旬】駄菓子、手紙、調理キットを送る
「お菓子交流」と銘打って、互いの国で人気な駄菓子を送り合うことにしました。本校の生徒達はうまい棒からキットカットまで様々なお菓子を用意し、そこに手紙を添えて、風呂敷で包みました。
またみたらし団子を作るための材料も入れて、送りました。

【10月下旬】第2回交流
この回は、両国の伝統的なお菓子について互いに発表しあいました。本校の生徒は実際に奈良に古くからある和菓子屋さんを2軒訪れ、お菓子作り体験をし、また職人さんにインタビューをしてその内容を発表しました。和菓子が若い人にも購入してもらえるようにと洋菓子化してきていることや、昔よりも「映える」ようにカラフルになってきていること、道具が国内生産ではなく海外生産になってきていること、そして何より後継者が見つからないことなど様々な課題を知り、それを韓国の生徒さんたちに発表していました。
興味深かったことは、韓国の生徒さん達もホットクを始め様々な自国の伝統的なお菓子について発表してくれる中で、日本と同じように後継者が見つからないという課題を抱えていることでした。両国に共通した課題が見られたことに生徒達は驚いていました。
また韓国の生徒さん達が「韓国にはタイ焼き文化があります」と発表してくださったことで、タイ焼きは韓国か日本どちらの発祥なのだろうと楽しくお話できました。

【11月初旬】調理実習
韓国の生徒さん達から韓国の駄菓子が届きました。韓国のとても綺麗で伝統的な袋に入れられており、生徒達が喜んでいました。生徒達はお菓子を食べる様子をタブレットで撮影しあって、お礼を韓国語や英語で言い、その動画をPadletに投稿していました。
またそこにはホットクを作るためのキットが入っていたため、生徒たちと調理実習をしました。ホットクを作ることで、日本の和菓子とはまた違った文化があることを味から体験的に知ることができました。この様子も撮影し、Padletに投稿しました。

【12月初旬】第3回交流
この日のテーマは、「自国の文化が相手の国でどれだけ受け入れられているか」でした。本校の生徒はいかに韓国の文化が日本で人気になっているかを発表しました。過去の韓流ドラマブームから始まり、韓国のお菓子がコンビニで売られるようになっていることや、ちょっとした旅行の行き先として韓国が人気になっていること、韓国語学習者が増加し続けていることなどについて発表しました。
韓国の生徒さんたちは日本のアニメ文化やJ-POPの浸透、人気な俳優さんなどについてお話してくださり、両国の生徒は自分たちの国の文化が相手国で人気になっていると知り嬉しそうでした。
最後には互いにプログラムを通してどのようなことを学んだのか、発表しあいました。

交流の成果

交流の成果は計り知れないものがあります。Formsでアンケートを取ったり、定期試験の結果を追ったりしてわかったことがいくつかあります。

まず1つ目は「英語学習への動機付けになったこと」です。全く同い年でありながら、韓国の生徒さん達が流暢に英語を話してくださり、本校の生徒達は圧倒され、良い刺激をもらい、もっと英語を頑張ろうと意欲的に英語学習に取り組むようになりました。当然ながら韓国語学習を始めた生徒もたくさんいました。

2つ目は「異文化交流の楽しさを知ったこと」です。日本の中では知ることのできなかったことをたくさん知り、生徒達の中には冬休みに韓国へ旅行に行った生徒が複数いました。実際に韓国に訪れ、もっと色々なことを知りたいと思うようになった生徒がほとんどで、このプログラムが毎学期実施されればもっと学校が楽しくなるだろうと言っていました。

3つ目は「コミュニケーションスキルとプレゼンスキルの重要性を知ったこと」です。英語が話せても、何を話せば良いのか分からないという生徒がほとんどでした。そこで韓国の生徒達が新しい話題を次から次へと提供してくださり、自分たちもそんな風に誰とでも楽しくコミュニケーションを取れるようになりたいと感じたようでした。また相手校のプレゼンテーションが非常に素晴らしいものだったため、来年はもっとスライドも原稿も見せ方も工夫したいと意気込んでいました。

これらはどれも教師が感じさせるのは難しいものではないかと思います。同世代の交流だからこそ得られた刺激であり、意欲なのではないかと思います。

そして最後に得られた大きな成果として挙げられるのが、「日韓関係」という言葉をポジティブに捉えられるようになったことです。これは生徒だけでなく教師についても言えることですが、共に考え、ちょっとした言葉のやり取りで笑いあうことで、一緒に仲良く良い学校、良い関係を築いていこうと言いあうことが出来ました。教師も生徒も韓国のことをもっと知りたいし、もっと仲良くやっていきたいと思う機会となりました。

交流に当たり困難だったこと、克服した方法

困難であったことは特にありませんが、2022年度のときはACCUさんから通訳の方を配置してもらうことができました。今後もそれがあればより深く楽しい取り組みができるのではないかと思います。

今後の予定・展望

プログラム終了後は、生徒たちは全校集会でプログラム全体の取組について発表しました。また教職員研修のための実践動画を作成しました。
今年度(2024年度)も新しい交流が始まっています。これまでの経験を活かし、生徒にとって楽しく学びの多いプログラムにしていきたいです。

写真

【Padlet交流の様子】

【第1回オンライン交流の様子】

【お菓子交流:相手校から頂いたお菓子の1つ(左)、本校から送ったお菓子(右)】

 

 

【第2回交流の様子】

【みたらし団子調理実習の様子】

 

【ホットク調理実習の様子】

【第3回交流の様子】

その他