ユネスコスクール支援内容
1.三重県立桑名高等学校のSSH活動支援
桑名高校のSSH活動支援のため、SSH運営指導委員会の会長(朴 恵淑三重大学ユネスコスクール 委員会長)を務め、SDGs・情報(IT)・地球規模の環境問題などの探究研究活動に対する講演会・運営指導委員会(年間3回開催)・アドバイスなどを積極的に行っている。朴 恵淑特命副学長は、「国連気候変動枠組条約締約国会議(COP27;2021年11月及びCOP28;2022年11月)」への参加経験を踏まえ、国連の気候変動(気候危機)への緩和と適応についてグローバル動向を踏まえた地域の環境問題に貢献できる次世代のグローカル人材育成について講演及びワークショップを行った。その成果を踏まえ、三重県の環境行政に若者の意見を反映できる、ミッションゼロ2050みえ若者チームにおいて、桑名高校をはじめ三重県内のユネスコスクールの若者の意見を反映するなど、積極的な支援活動を行っている。
2.三重中学校・高等学校の生物多様性活動支援
三重中学校・高等学校の伊勢湾最大級の松名瀬干潟での生物多様性活動支援のため、三重大学・トヨタ自動車(株)・伊勢新聞・三重県・松阪市・三重中学校・高等学校との協働事業の「トヨタソーシャルフェスin 松名瀬2022(2022年10月22日)」の委員長(朴 恵淑三重大学ユネスコスクール委員会長)を務め、三重県内外からの参加者約190名による海岸清掃活動及び三重中学生・高等学生による干潟の水生動物・生物調査を通じた生物多様性活動の積極的な支援活動を行っている。

3.三重県内ユネスコスクール活動支援「三重県ユネスコスクール研修会2022」の開催・「ESD for 2030 TOKAI研修会」の共催
三重大学において「三重県ユネスコスクール研修会2022;2022年12月17日)」を開催し、三重県内のユネスコスクールの教員と学生、関係者など約40名が対面式で集まり、三重県立桑名高校のSSHの成果と課題、三重中学校・高等学校の生物多様性活動の成果と課題、三重大学ESD-SDGsクラブの活動成果と課題発表を行い、自由討論の時間を設け、三重県の強みをさらに強く、弱みを補うユネスコスクール活動の活性化に向けた意見交換を行った。三重大学ユネスコスクール委員会の役割として、産官学民との連携によるプラットホームとしての研修会の開催・情報発信を積極的に行うことなどが議論された。また、ESD for 2030 TOKAIプロジェクト研究会(研究代表者;大鹿聖公愛知教育大学教授)との共催で、ESD授業を通した学びについて三重県の大学教員、小中高校の教諭、NPOとのパネル討論を行った。
ESD活動紹介(三重大学)
1.「第16回環境マネジメント全国学生大会」の開催・「三重宣言」採択
「第16回環境マネジメント全国学生大会(2022年6月25-26日)」が三重大学において開催され、全国の9大学から73名の学生が集まり、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けて各学生団体のESD活動に関する意見交換を行い、大学間の垣根を越えた交流を図り、三重大学の環境関連施設(風力発電、ガスコージェネレーションなど)の見学会を行なった。今後の発展的展開を図るため、SDGsとESD・カーボンニュートラル社会・グローカル環境人材育成を軸とする「三重宣言」の作成・採択を行ない、今後の発展的活動が大いに期待できる。

2. 「日韓環境・SDGsフォーラムin 三重〜持続可能な社会・カーボンニュートラル社会に向けた国際環境協力と次世代人材育成」の共催
「日韓環境・SDGsフォーラム in 三重〜持続可能な社会・カーボンニュートラル社会に向けた国際環境協力と次世代人材育成(2022年7月15日)」が三重大学・駐名古屋大韓民国総領事館の共催で三重大学において開催された。朴 恵淑特命副学長による三重大学の環境・SDGsの戦略的取組とグローカル人材育成及び韓国中央大学の金 正仁教授による韓国のカーボンニュートラルとSDGsの動向に関する基調講演が行われ、その後、伊藤正明三重大学長、朴 先哲駐名古屋大韓民国総領事、尾西康充理事・副学長、在学生と留学生などによる日韓の国際環境協力と次世代人材育成をテーマとするパネル討論が行われた。2030年の国連持続可能な開発目標(SDGs)達成に伴う持続可能な社会創生及び2050年のカーボンニュートラル社会形成に向けて、「国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)」の動向及び「世界保健機関(WHO)」の気候危機による健康被害の提言を踏まえ、三重大学が、日韓の国際環境協力と次世代を担う人材育成のプラットホームとしての役割を果たすための教育・研究・社会貢献への発展的、戦略的取り組みについて議論が行われた。本シンポジウム の動画は、三重大学のYouTubeチャンネルに掲載されている。
三重大学YouTubeチャンネル

3.「四日市公害訴訟判決50周年シンポジウム」の開催
「四日市公害訴訟判決50周年記念シンポジウム(2022年7月23日)」が三重大学において開催され、三重大学・三重県・昭和四日市石油(株)・WHOアジア太平洋環境保健センター(WHOACE)の関係者による基調講演・パネル討論を行ない、対面式とオンラインのハイブリッド形式で行われ、約200名の参加者が集まった。朴 恵淑特命副学長は、国連初の人間環境会議がストックホルムで開催された1972年6月と四日市公害訴訟判決の1972年7月の歴史的動向を踏まえ、グローバル規模の地球環境問題と地域の大気汚染問題とはコインの表と裏のように、環境と経済、社会の調和の取れた2030年のSDGsの達成、2050年のカーボンニュートラル社会創生において、四日市公害の過去の負の遺産を未来への正の資産に変えるべく、次世代の環境人材育成のためのESD-SDGsのトップランナーとしての持続可能な三重創生の提案を行なった。パネル討論において、産官学民のグローバルパートナーシップのプラットホームとしての三重大学の役割についてパネリスト及び参加者との活発な討論が行われた。

4.「東南アジア10ヵ国の若手・中堅環境人材育成」の共催
「東南アジア10ヵ国の若手・中堅環境人材育成(2022年12月2日)」が、三重大学・JICA・ICETTの共催で開催され、東南アジア10ヵ国から10名、ICETT関係者、三重大学の教職員と学生団体(ESD-SDGsクラブ)の45名が集まり、ESD-SDGsに関する東南アジア諸国の現状について発表・意見交換を行った。基調講演において、朴 恵淑特命副学長による国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)について、COP3(京都議定書;1997年12月)・COP21(パリ協定;2015年12月)・COP26(グラスゴー気候合意;2021年11月)・COP27(シャルムエルシェイク実施計画;2022年11月)の国際動向を踏まえ、21世紀の経済発展に伴う環境問題が最も懸念されるアジア諸国の国際環境協力のあり方及び次世代を担う若者へのESD-SDGsの実現に向けた戦略について基調講演を行った。また、三重大学生とのワールドカフェ形式の国際ワークショップを行い、持続可能なカーボンニュートラルアジア社会創生に向けた、産官学民のグローバルパートナーシップについて、東南アジアの若手・中堅環境人材育成への国際協力について活発な意見交換を行った。

5.「サステイナブルキャンパス推進協議会(CAS-Net JAPAN)2022第10回年次大会〜持続可能なカーボンニュートラル社会に向けた地域連携と次世代人材育成」の開催
「サステイナブルキャンパス推進協議会(CAS-Net JAPAN)2022第10回年次大会〜持続可能なカーボンニュートラル社会に向けた地域連携と次世代人材育成(2022年12月3-4日)」が三重大学において開催された。伊藤正明三重大学長の開催挨拶の後、朴 恵淑特命副学長による基調講演が行われ、三重大学の環境・SDGs・カーボンニュートラル社会創生戦略とグローカル人材育成に関するトップランナーとしての三重大学の戦略及び成果などについて発表が行われた。続いて、サステイナブルキャンパス賞(SC賞)授賞式が行われ、学生参画活動部門において三重大学ESD-SDGsクラブが行っている、産官学民とのパートナーシップによるアドボカシー活動が高く評価され、SC賞を受賞された。CAS-Net JAPANのこれまでの10年とこれからの10年を見据えたシンポジウム において、大学のみならず、企業・行政へのアピールを行い、産官学民の共同体としてのCAS-Net JAPANのさらなる発展的展開を図ることとなり、今後の発展に大きな転換点となった。

6.「世界遺産熊野古道を歩こう!」を開催
「世界遺産熊野古道を歩こう!(2022年12月18日)」が開催され、三重大学の教職員と学生(留学生)の24名が参加し、ユネスコスクールの三重県立木本高等学校との連携によって日本語と英語による熊野古道のバスツアーを行なった。熊野古道は、紀伊山地の霊場と参詣道として世界遺産に登録されている。
活動自己評価
https://www.unesco-school.mext.go.jp/supporters/aspunivnet/self-assessment/mie/