2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

海洋, 減災・防災, 環境, 世界遺産・地域の文化財等, 福祉

本校のESDのねらいは「ふるさとのよさを知ることを通して,ふるさとの環境を大切に守り,人とのつながりや関わりを尊重できる子どもを育成する」,ESDで育てたい資質・能力は「ふるさとの恵まれた自然環境や伝統文化を守るために自分にできることを主体的に考える態度」「ふるさとの自然や伝統に親しむ態度」「未来を見つめ生きる力,応用力,コミュニケーション能力」である。それらの達成のため次のような活動を行った。
1 伝統文化に関わる活動
今年で194年目を迎える「早稲谷鹿踊」に,全校児童で取り組んだ。縦割り班で上学年が下学年に教え,地域の一員として伝承活動に関わっている自覚を促した。「塚沢神楽」は,今年度初めて5・6年生が企画運営した発表会を開催した。コロナ禍でも発表の場を工夫することにより, 児童は伝統芸能を伝承する地域の人々との関わりを深め,次の世代へつなぐ思いを深めるとともに,質の高い踊りをめざして意欲的に取り組んだ。
2 自然環境に関わる活動・人と関わる活動
1・2年生は,地域の農家の方を講師にサツマイモを栽培・収穫し,近隣で開催された「軽トラ市」にて自ら販売した。3・4年生は,地域で栽培されているそばの学習を行いそば打ちを体験した。5・6年生は,間伐材を利用している木質バイオマス発電について学ぶ機会を設けた。林業を生業としている人々やバイオマス発電に関わる方から話を聞く活動等を通して,地域の山が再生可能エネルギーとして活用されていることに気付かせた。その上で地域のためにできることを考えるなど,地域人材や専門家との連携を図り,さまざまな視点で山について学習した。また,海側にある気仙沼市立唐桑小学校の児童と7月にはオンラインで意見交換し,1月には唐桑小学校の発表会に出向く。繰り返し関わることで,相手意識をもち,森川海のつながりなどお互いの学びを深めることができた。
さらに保護者や地域の方の協力を得て,8月に全校で体験学習「八瀬パラダイス計画」を行った。身近な八瀬川での活動を通し,世代を超えた交流や地域の自然の豊かさを実感した。児童の自己有用感や学習意欲を高め,地域の方との協力体制の強化につながった。

来年度の活動計画

生活科・総合的な学習の時間等で次の活動を実践し,年度末の「生活・総合発表会」で学びを発信する。①伝統文化・本地域に伝わる「早稲谷鹿踊」「塚沢神楽」の継承活動。②自然環境・全校で様々な視点から山を学ぶとともに,豊かな海と身近な山や川の関係が深いことに気付かせるため,3・4年は地域の川の水質調査,5・6年は海の環境を知る体験活動を行う。また海側の気仙沼市立唐桑小学校に出向き,同年代の児童との交流を深め,各地域の課題を話し合うことを通して未来のために自分たちができることを共に実践していく意欲を高める。さらに本地域で採掘される化石に焦点をあて,同じペルム紀の化石が海側でも採れることから,大地の歴史においても山川海の関係が深いことを実感させる活動を行い,広い視野で自然環境について考えさせる。③人との関わり・53年続く敬老帳を全校で作成し,ふるさとを大切にしてきた地域のお年寄りに感謝の気持ちを表す。