2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

海洋, 減災・防災, エネルギー, 環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 福祉

本校のESDのねらいは「ふるさとのよさを知ることを通して,ふるさとの環境を大切に守り,人とのつながりや関わりを尊重できる子供を育成する」である。ユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野を通して「自分にできることを主体的に考える態度」「ふるさとの自然や伝統に親しむ態度」「未来を見つめ生きる力,応用力,コミュニケーション能力」の育成を目指した。そのため次のような活動を行った。

  • 伝統文化に関わる活動(無形文化遺産の尊重)

195年目を迎える「早稲谷鹿踊」に,全校児童で取り組んだ。11月に開催された「気仙沼スローフェスタ」では,多数の観客の前で演舞し,本地域の伝統芸能のすばらしさを気仙沼市内外の方々に伝えた。また5・6年生は,早稲谷鹿踊を未来につないでいくために,鹿踊を大切に思う気持ちを言葉に記したクリアファイルを作成し配付する活動を行った。「塚沢神楽」は,保存会の方の指導で練習を重ね,「こだまステージ発表会」で6年生が披露した。児童は伝統芸能を伝承する地域の人々との関わりを深め,次の世代へつなぐ思いを深めるとともに,質の高い踊りを目指して意欲的に伝承活動に取り組んだ。

  • 自然環境や人と関わる活動(持続可能な街づくり,地球市民および平和と非暴力の文化)

1・2年生は,地域の農家の方を講師にサツマイモを栽培・収穫し,近隣で開催された「軽トラ市」にて自ら販売した。3・4年生は,地域の方と大豆の栽培・収穫を行い,1月に豆腐づくりを行う。5・6年生は,海の環境を山側の視点で考える活動を通して山の維持管理が大切であることに気付くとともに,地域の苗木生産者の講話を聞くことで林業についての学びを深めた。また,学区の山林で採掘されるペルム紀の化石を海岸で見付ける体験活動を通して,大地の歴史においても山川海の関係が深いことを実感し,広い視野で自然環境について考えた。継続している気仙沼市立唐桑小学校の児童との交流は,協働で課題を解決していく意欲を高めることにつながった。さらに,今年度で53号となる「敬老帳」を全校児童で作成し,地域のお年寄りに感謝の気持ちを表した。様々な活動を通し,児童は自己有用感や学習意欲を高め,地域のためにできることを考え行動した。

来年度の活動計画

生活科・総合的な学習の時間等で次の活動を実践し,年度末の「生活・総合発表会」で学びを発信する。

①伝統文化

本地域に伝わる「早稲谷鹿踊」「塚沢神楽」の継承活動。

②自然環境

全校で様々な視点から山を学ぶとともに,豊かな海と身近な山や川の関係が深いことに気付かせるため,3・4年は地域の川の生き物や水質調査,5・6年は海の環境を知る体験活動を行う。また海側の気仙沼市立唐桑小学校に出向き,同年代の児童と各地域の課題を話し合うことを通して未来のために自分たちができることを共に実践していく活動を継続する。さらに地域の間伐材が木質バイオマス発電で再生可能エネルギーとなっていることに気付き,地域のためにできることを考え実践する。

③人との関わり

地域の方と一緒に作業する農業体験等を通し,地域の方の思いや生活の知恵を知る。54年続く敬老帳を全校で作成し,ふるさとを大切にしてきた地域のお年寄りに感謝の気持ちを表す。