2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 世界遺産・地域の文化財等, 平和, 人権

当校は、「人間尊重の精神を基盤に、共に学びよりよく生きるための意欲と実践力のある生徒の育成」を学校の教育目標とし、SDGsの「誰一人取り残さない」社会の実現を実践課題とし、ESDの実践を通して「様々な人権課題について、主体的に学び、自ら解決していこうとする力の育成」を目標とした。
具体的には、地域の文化遺産、人権・平和、ジェンダー平等の分野を柱に、①世界遺産に係わる学習、②人権・平和に係わる学習、③ジェンダーフリーとセクシャルマイノリティーに係わる学習を行った。
習を行った。

① 世界遺産に係わる活動
・1年生では「奈良の世界遺産を知る」とともに、「奈良の世界遺産を通して、それを伝え守ってきた人々の思いを知る」というテーマで、奈良公園や「ならまち」を中心に校外学習を実施した。奈良の世界遺産の中で代表的なものといえば「東大寺」があげられる。東大寺は聖武天皇が詔を出し、建立に至った。しかし、1300年の歴史の中で、2度消失している。そのいずれの時にも、公慶・重源という二人の僧が再建の中心人物として活躍している。国家の権力だけではなく、平和を願う人々の思いを集め、力を合わせて再建に取り組んでいる。ユネスコ憲章の前文には「人の心に平和の砦を築かなければならない」との記載がある。時代は変わっても、平和を願う人々の心は変わらず、国家が主体的に動くのではなく、一人一人の心に主体を置くべきだという考えが受け継がれていることを学習した。
・2年生は京都での校外学習を実施した。京都の伝統や文化、世界遺産を学び、奈良との違いを感じ、多角的な視点をもって奈良を見つめなおす機会とした。
② 人権・平和に係わる学習
1年生では、校区内にある人権にかかわる施設を中心にフィールドワークを行い、地域の方に差別の実態や差別解消への取組とその思いについて学んだ。
2年生では、「もののけ姫」などを教材とし、古代・中世・近世・近代・現代といくつかの時代区分に分け、部落差別を中心にそれそれの時代の被差別の人々について学んだ。
3年生では、長崎に修学旅行を行い、原爆を中心に戦争の現実について学び、平和への意識を高めた。
③ ジェンダーフリーとセクシャルマイノリティーに係わる学習
2年生から人権学習の中で、「ジェンダー」について学び、社会的に平等とはなっていない実態を学習した。また、2年生から3年生にわたり、近年話題になっているセクシャルマイノリティーについての学習も行った。本校では、そのような学習の中、「男女混合名簿の使用」や「女子制服のスカート及びスボンの選択制」を実施している理由についても学んだ。

来年度の活動計画

2019年度と同様の活動を予定している。
① 世界遺産に係わる学習
・1年生(奈良公園)、2年生(京都)の現地での世界遺産学習
② 人権・平和に係わる学習
・1年生の人権フィールドワーク
・3年間を通した人権学習
(障がい者問題、在日外国人問題、部落問題、平和学習等)
  ・全校生徒による「人権を考える集い」の実施
    (各学年の人権学習の取組についての発表と、人権作文の発表)
③ ジェンダーフリーとセクシャルマイノリティーに係わる学習