2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 世界遺産・地域の文化財等

当校は、「ふるさと環境学習」を活動テーマとして、ESDを地域の自然と文化・伝統の魅力を体験・体感し、大切にしていこうとする子どもの育成を目標としている。

具体的には「自然から学ぶ」「文化・伝統から学ぶ」ことを柱に①飛渡川に関わる活動②地元の米づくりに関わる活動と育③ブナ林に関わる活動④地域伝統文化に関わる活動を行った。

①飛渡川に関わる活動

学校の前を流れ信濃川と合流する1級河川の飛渡川をフィールドに、そこに棲息する生き物を調べたり、川での遊びを体験したりした。10年以上継続して、飛渡川への鮭の遡上を目指し、卵を孵化させて飼育し飛渡川に放流する活動を行っている。サケの生態や漁獲高の変化なども調べ、1匹でも多く放流できるように飼育を工夫している。

②地元の米づくりに関わる活動

学校田と畑を使って、コシヒカリ米を栽培している。今年度は、児童の手で、すじまきから苗を育て、田おこし、しろかき、田植えまでを行った。除草、稲刈り、はさがけ、脱穀にも挑戦し、収穫したコシヒカリ(飛渡米)の宣伝を目的に販売をした。地元農家の米が全国に販売されているなど、地元の農家の生産と販売の工夫についても学んだ。

③ブナ林に係わる活動 

地元の自然観察指導員を講師に、ブナ林周辺の様々な動植物を観察したり、ブナ林の観察を行ったりした。ブナ林が葉に受けた雨水を細い枝、幹に集め根元まで運ぶ仕組や保水力について学ぶことができた。

④地元の伝統文化継承に関わる活動

米作りの際の脱穀したわらを使って草履やわらじ作りを行った。地域のわら細工名人を指導者に招き、地域のお年寄りからも一緒に参加して子どもたちと一緒に活動した。わらを綯うって縄を作り、草履やわらじを編んだ。子どもたちはお年寄りとかかわり合いながら作業をした。小正月行事である「さいの神」で飛ばす五色の紙「おんびろ」は飛渡固有の伝統文化である。地元の方を講師に招いて、作り方を学び、地元の伝統を引き継いでいけるように活動している。

来年度の活動計画

令和2年度は、飛渡川に係わる活動に重点を置いて活動を進める。
飛渡川に関わる活動では、飛渡川の水質や水生生物の観察など、飛渡川の自然環境について学ぶ活動を充実させる。

特に、飛渡川の環境保全のための源流の調査や生息する魚や水生生物などを調べる。また、信濃川への合流地点まで調査範囲を広げて行う。

また、雪どけ水と飛渡地区の米づくりを行う棚田の水源との関係を調べるなど、農業と飛渡川の関係にも調べまとめていけるよういしていく。

 冬期間には、10年以上継続しているサケの飼育を行い、より多くの稚魚の放流を行えるように活動を進めていく。