2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 平和, 持続可能な生産と消費

本校は、「自立・共生」を学校理念として、ESDの実践を通して「一人で判断して行動できる」「人と関わり共に生きる」力を育て、地域・学校・自分に誇りをもつ生徒の育成をめざしている。今年は、コロナの影響で、ことごとく行事や活動が中止、もしくは延期、変更してきたが、郷土学習、地域貢献、平和学習を柱に、1.平和にかかわる学習、2.地域貢献に係わる活動、3.地域の自然保護に係わる活動を行った。

1.平和にかかわる学習
例年5月に行われる3年生の広島修学旅行に向け、平和学習を進めていく予定だったが、日程と行き先の変更を余儀なくされたため、内容を再構成して秋に平和学習を行った。事前学習で地元からも身近な人が戦争に巻き込まれていたことや社会科の歴史分野の学習で、戦争について学び、そのうえで地域の方に講師を依頼し、戦時中、地元の朝日から満州に開拓団として渡った方々の話を聞いた。戦争は決して他人ごとではないこと、遠い昔のことで済ませてはいけないことなどを学ぶことができた。また、そのまとめとして、海外留学の経験のある方を講師に招き、日本だけでなく世界の実情や平和を守るための活動について、理解を深めた。
2.地域貢献に係わる教育
地域貢献をとおして、地域の実態を知り、自分たちにできる貢献活動を考え、行動する活動を行った。年度当初は千町牧場の肥料まき、地区文化祭への参加などで地域住民の一員としての自覚を高めるとともに、地域活性化に貢献する予定であったが、ことごとく中止となった。そこで、生徒会の発案で、登下校を見守るスクールサポーターなど、地域でお世話になっている方々へ手作りのアクセサリーを感謝の気持ちを書いたカードを添えて、生徒が分担してその方々に直接届けた。アクセサリー作りでは、生徒会からの呼びかけで多数の生徒が手伝い、思いを込めて製作した。また、年末に一人暮らしのお年寄りにクリスマスカードを送ったところ、多くの方々から感謝のお手紙や電話があり、「こんなふうに、クリスマスカードをもらったのは初めてで、本当に心が温かくなった。」等のお言葉もいただいた。
また、飛騨牛について、畜産センターで飼育の難しさや働きがい、地域の産業の発展についても学んだ。
3.地域の自然保護に係わる活動
自然体験とそれを支える方々からの学びをとおして、地域の自然に興味をもつとともに、ふるさとの自然を守っていこうという心情を育てる活動を進めた。そのために地域講師を招き、事前学習で実践への価値を理解したうえで体験学習を行うようにした。まず、外来生物全般やその影響、駆除の方法について学び、地域の方々とともにオオハンゴンソウの駆除を行った。夏には、地域の方を講師に招き、飛騨川で7月の豪雨の影響で川の様子が変わってしまった状態を直に見たり、水生生物などについて学んだりした。また水泳や手漕ぎボートなどの体験を通して、大自然の怖さと醍醐味を味わった。また秋には地域講師からふるさとの森林の特徴やその保護の方法を学ぶとともに、ツリークライミングを体験した。10月には、地域の方と学校の裏にある龍巌山を登山し、キノコや山野草の種類を学んだり、景色を楽しんだりした。

来年度の活動計画

〇地域の自然保護、自然理解にかかわる活動
自然講話、自然体験学習、龍厳山登山、日の観ヶ岳登山、外来性植物の駆除、飛騨川清流体験、ツリークライミング、国際交流をとおしてふるさとのよさを見直す。
〇地域貢献にかかわる学習
地域イベントへの参加、地域文化祭(朝日伝統文化祭・高根文化祭)と本校清流祭の共同開催、飛騨牛講話、千町牧場肥料撒き、国際交流をとおしてふるさとの未来を考える。
独居老人宅への慰問、地域の産業の体験学習と持続可能な地域の創生のためのアイディアを考える。
〇平和にかかわる学習
平和講話、修学旅行事前学習、平和学習の発信・平和学習の成果発表、福祉・募金活動、国際交流をとおして平和に対する考えを深める。