2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 環境, 持続可能な生産と消費

本校は,「自主・協力・創造」の心を養い,知・徳・体の調和と統一のある人間性豊かな生徒を育てることを教育目標としている。ESDを地域の自然や人に目を向け,将来,よりよい地域社会を育んでいくための学習活動と捉え,ESDの実践を通して地域の人や自然と積極的に関わり,そのよさや改善すべき点に気づき,自ら働きかけていく力を育成することを目標とした。
①優れた自然の保全に関わる活動「海岸クリーン活動」
本校の校区は自然砂浜海岸である「表浜」に面している。この砂浜には多くの海浜植物や昆虫が生育し,アカウミガメが産卵のために上陸する。本校では生徒会役員の呼びかけをきっかけに,このクリーン活動を1986年から継続している。本年度は11月6日(土)に実施し,保護者や地域の方の参加が得られた。アカウミガメがクラゲとまちがえて食べてしまうプラスチック系のごみ拾いを入念に行った。
②生命や自然の尊重と地域文化の継承に関わる学習「ササユリボランティア」
表浜の海食崖には昔,ササユリが自生する里山が多くあった。その後,わずかに残ったササユリを地域の住民が見つけ,「笹百合保存会」を立ち上げ環境保全に取り組んでいる。本校の生徒会は地域の方と協働して,校区の自然を守る活動に2005年から関わり続けている。6月にあるささゆりの里まつりでは,生徒が見学者に接待したり,販売されている鉢花や野菜を運ぶ手伝いをしたりしている。(2020,2021年度とも中止)
③地域の主産業である農業に関わる学習「農業体験学習」
本校の生徒の多くは,大企業の社宅や公営住宅,最近開発された住宅地に住んでいる。身近に畑が広がっているが,農業にふれる機会は少ない。そこで,1年生の生徒全員が地域の主産業である農業を体験し,地域の人と交流する学習の機会を設けている。しかし,本年度は中止となってしまった。

来年度の活動計画

本校では,次年度も「海岸クリーン活動」「ササユリボランティア」「農業体験学習」に継続して取り組んでいく。それと合わせて,表浜海岸を中心とした生物多様性や自然環境の学習,よりよい地域社会を創造しようとする心情を育む学習を深めていきたい。
①海岸クリーン活動
環境学習の充実を図り,校内だけでなく,地域へも表浜海岸の重要性を啓発することを含めた活動を展開したい。11月実施予定。
②ササユリボランティア
6月初旬の土日に開催される「ささゆりの里まつり」にボランティアとして参加する。保存会の活動資金を得るための野菜や花,苗販売の手伝いや,来場者への接待をする。11月には,ササユリの苗床づくりや種まきなどの活動に参加する。
③農業体験活動
地域の主産業である農業は,地域の環境を創造する役割を担っている。その現場で実際に体験をすることで,地域への愛着を育むとともに,自分たちの地域を担っていこうとする心情を培っていきたい。