2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

気候変動, エネルギー, 環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, 福祉, 持続可能な生産と消費, 食育

1.本校のESDの特徴

本校は、平成25年6月にユネスコスクールに認可され、祝津地区の水族館や手宮地区の博物館の協力を受けるなど、豊富な自然や歴史的遺産をもとにした「ふるさと教育」を軸に「①環境 ②人権・平和 ③福祉 ④国際理解 ⑤地域の伝統文化、文化遺産」をテーマにしている。本校のESDにおいては、教科内の学習に加え、朝の帯時間の新聞学習(NIE)、及び学校図書館の資料に基づいた日本や世界の環境問題についての基礎的な学習を基盤としている。更に、その知識を子ども達の実生活と照らして考えさせ、日常のよりよい生活を持続させていくことで、持続可能な未来の社会を創造していく人間性を涵養していくことを目的としている。

2.活動の全体計画

今年度は「学びと育ちをつくる学校」として学校・保護者・地域と連携して活動を進め、「生活科」「総合的な学習の時間」の取組をESD(持続可能な社会づくりの担い手を育む教育)の視点から、この地球で生きていくことを困難にするような問題について、自分事として解決していくための学習を設定している。

3.活動内容

ア 環境に係る教育<SDGsの視点から学ぶ「地域学・未来学」>

小中一貫教育で接続する校区の北陵中学校と連携して、「総合的な学習の時間」を編成しなおし、小学校では「地域学(=地元に  誇りを持てるように、校区内の高島・祝津・赤岩を中心とした地域学習)」を学び、中学校では「未来学(=小樽を中心に地元を学び、地域にどう関わり行動するかを考える学習)」の学びにつないでいる。

また、児童会の活動として学校周辺の環境の美化を目的に、全校児童による、清掃活動を行った。また、コロナ下においても出来る活動として『環境を守る標語』を考え、ステッカーにして地域の福祉施設に届ける取組も行った。

イ 人権教育に係る教育

児童会が中心となって、<人と地域と環境を大切にする運動>を展開している。具体としては「挨拶運動」「小中が連携したいじめ防止運動」「温かい言葉の環境づくり」に取り組んできた。また、「ユネスコ寺子屋運動(書き損じハガキの収集)」「ユニセフ募金」に参加し、福祉協議会と連携した「赤い羽根共同募金」にも協力し、誰も取り残さない社会づくりの意識づけを行った。

ウ 福祉に係る教育

5年生において総合的な学習の時間に地元の福祉施設より講師を招き「認知症サポーター講座」を位置づけ、高齢者や障害のある方への理解と支援のあり方について学習を深めている。

エ 国際理解に係る教育

小樽市立北陵中学校と小樽市立手宮中央小学校と連携し、5・6年生における中学校教諭による専科制授業を設定し、3・4年生においては英語担当教員による小小連携を深め、ALT・外部講師を活用しながら、外国語教育の質の向上を通して国際理解を深めた。

オ 地域の伝統文化、文化遺産に係る教育

地域にある歴史的建造物や博物館、美術館等について、その歴史や役割を学ぶとともに、写生を通して建造物としての意義も教えた。また、隣接するプールにおいて古式泳法を参観し、伝統文化に触れる学習を教育課程に位置づけている。全学年が地域にある水族館・博物館・商店等の協力を基にしながら地域の産業や歴史、環境について学んできた。

カ SDGsを学ぶ朝の「NIEタイム」

学校図書館に配備された新聞から、SDGsに係る記事を収集、授業づくりに活用した。

また、高学年については毎週2回の「NIEタイム」を設定し、SDGsに係る記事を読み、

自分の考えを川柳・俳句等で表現する学習を行った。この学習から生まれた川柳を北海道新聞の川柳コーナーへ投稿し、多くの作品が採用されている。

 

4.成果と課題

(成果)

SDGsの目標である「誰一人取り残さない社会の実現」について知り、その取組が社会全体で行われていることを知ることができた。また、私たちの学校生活で、SDGsに関わる活動がたくさんあることに気づくことができた。

主に総合的な学習及び朝の帯時間(NIEタイム)で学んだ知識・技能を活かし、児童会などが中心となり、学校全体として、地域貢献活動(SDGsの取組)の推進が図られた。子ども達の発想から生まれた「環境を守る標語ステッカー」が、校内及び校区内の福祉施設で節電・節水・フードロス解消に向けてのメッセージを発信している。

(課題)

教える側が、各教科の中にも存在するSDGsのゴールを更に意識し、教科横断的に学習を積み上げ、17個のゴールの関わりを伝えて行くことで、更に子ども達個々の意識が高まっていくと考える。

今年度整備した「地域学」の構造をよく理解し、総合的な学習の時間を中心に、各教科の年間指導計画の中にSDGsを価値付けていくとなお良い。

 

 

来年度の活動計画

来年度(2022年度)の活動計画

「ユネスコ」の理想の実現を目指した教育を実践する。

◎3つの大切(①人を大切にする ②学びと育ちを大切にする ③地域を大切にする)が息づく温かい学校づくり

・地域の教育資源や人材を積極的に活用し、共働して児童を守り育てる。

・積極的な情報共有によって、学校と家庭、地域の信頼関係を深める。

・日常的に地域との連携・共働を心がけ、地域貢献を行う。

・新聞を通して世界の情報を知り、自分の考えを表現する。

5月⇒環境・美化運動  7月~8月⇒地域施設・商店見学

9~10月⇒いじめ防止標語の取組 地域の福祉施設との交流

10月⇒赤い羽根共同募金 2月⇒ユニセフ募金、ユネスコ寺子屋運動

通年(高学年)⇒NIEタイム(新聞学習)