2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 減災・防災, 環境, 国際理解, 人権, ジェンダー平等, 福祉

本校は、「心を清くし 愛の人になれ」を学校理念としており、ESDの理念はノートルダム清心学園の理念と共通するものであると捉えている。ESDの実践を通して、自立した女性としてグローバル・リーダーとなるための資質等の育成を目標とした。

具体的にはSSH(SuperScience High School), SGHA(Super Global High School Associate) を柱に①環境学習に係わる活動、②人権教育に係わる活動、③福祉に係わる活動、④国際理解教育に係わる活動、⑤ユネスコスクールネットワークに係わる活動を行った。

 

①  環境学習に係わる活動

生物教室でサンショウウオやアカハライモリを飼育しながら,その産卵から成長していく様子を調べてまとめた。また,絶滅危惧種のデンジソウの栽培も年間を通して行い,学会や高校生対象の発表会等で発表した。花酵母の研究から木質バイオマスからエタノールを作る試みを研究し発表した。

さらに、世界の環境問題を考えることのできる海外研修として、マレーシアのジョホール州やサバ州での研修がある。現地の大学と連携して自然観察や植林体験をする。亜熱帯の自然環境ならではの生物多様性を学ぶと同時に環境問題についても考えることのできるプログラムである。

②  人権教育に係わる活動

高校2年生文理コース生徒を対象に,「現代社会とジェンダー」等,女性に関わる問題をテーマに週2時間の授業を行った。テーマごとに姉妹校ノートルダム清心女子大学の講師が講義をした。文化祭では「赤ちゃんポスト」についてのディベートを公開した。授業を通して女性に対する諸問題に気づき,自分の問題として捉え,最終的には各自がテーマを絞ってプレゼンテーションをした。

海外研修としては、Women’s Studiesをテーマとしてアメリカ、サンノゼの姉妹校への短期留学がある。

③  福祉に係わる活動

他者への感謝と信頼の心を忘れず、惜しみない奉仕の心をもって奉仕活動に取り組む「聖ジュリーの日」に、中学2年生は福祉施設での奉仕活動、中学3年生は高齢者疑似体験や車いす体験を行う。高校生も、1年生は手話の学習、2年生は特別養護老人ホームや障がい者福祉施設に出かけ、ボランティア活動を行った。また、クラブ活動の一環として、児童福祉施設への訪問や障がい者福祉施設で作られたお菓子の委託販売を実施するなど、生徒がボランティア活動に参加しやすい環境が整っている。

④  国際理解教育に係わる活動

グローバル教育講演会を実施した。SisterLorraine Connell, Sister of Notre Dame de Namur(ナミュール・ノートルダム修道会会員)に “Tour through the African Photovoltaic Project (APP) 2003-2018”「アフリカ太陽光発電プロジェクト、きれいな水環境の整備について」という演題で講演をしていただいた。

本校は、自文化と世界を知り、皆にとってより良い世界にするために協働する人を育成するという目標を掲げ、様々な国への短期留学を実施している。中学3年生全生徒対象にした2週間のオーストラリア研修、高校生対象に、①②③にも記載した「マレーシア海外研修」「サンノゼノートルダム短期留学」「ハワイ語学研修」がある。これらは、現地の人々との交流を通して、多様な価値観に触れ、世界が抱える課題解決の方法を考える機会となっている。

 また、本校で40年間継続しているフィリピンの子どもたちへの資金援助「チャイルド・ファンド・ジャパン」への理解を深め、持続可能な支援方法を模索するために、フィリピンスタディーツアーを行った。今年度が2年目で、30名程度の生徒が参加し、フィリピンへの理解を深めた。

⑤  ユネスコスクールネットワークに係わる学習

岡山県内のユネスコスクール10校の生徒約140名が集まり交流会を行った。来年開催されるオリンピックのホストタウン事業の相手国であるブルガリアからも高校生が交流会に参加し、国際交流の場ともなった。各学校でのESDの取り組みについて発表したり,岡山の観光地めぐりを生徒自身が企画して紹介した。また、パラスポーツを共に体験し、障がい者への理解を深めるとともに、パラリンピックへの関心を高める活動となった。

来年度の活動計画

令和二年度も、これまでのユネスコスクールとしての活動を継続する。令和元年度に部活動や行事で取り組んできたESD活動の場をさらに拡張し、生徒会や委員会、探究活動を伴う授業などでも実践できるよう各部署が連携する。

岡山県ユネスコスクール・ネットワークは、令和二年度のオリンピックイヤーにもブルガリアからの訪問団を受け入れることになっている。実践交流会、学校交流会、懇親会等の企画に関与して、積極的な交流を行いたい。