2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, 環境, 世界遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, 持続可能な生産と消費

本校は、「自ら学び・考え・行動できる人材の育成」を学校理念として、郷土和歌山への愛着と誇りを持ち、進展するグローバル社会に貢献できる生徒の育成を目標として活動してきた。具体的には、①国際理解、②環境・防災、③平和・人権を柱に、それぞれに関わる教育・学習を行った。

①  国際理解教育に係わる活動

外国語授業では、異文化理解を目的として、第二外国語(中国語・韓国語・スペイン語)の習得を促進しています。第二外国語レシテーションコンテストの開催をはじめ、スピーチコンテストや弁論大会、検定にも取り組みました。

海外との交流においては、タイの交流校との交流が実施され、全生徒を対象としたこれらのプログラムには、国際交流科だけでなく普通科の生徒も積極的に参加しました。またニュージーランドからの高校生との交流活動や、中国山東省からの大学生の視察受け入れも行い、様々な国際交流の機会を持つことが出来ました。

 国際理解講演会を年に一回実施しており、国内外で国際関係の活動に携わる方々から、その活動内容や国際社会についてのお話を伺い、これからの日本と世界との関係や国際社会のあり方・方向性について考える機会となっています。本年度は、藤井 裕子氏(認定NPO法人フリー・ザ・チルドレン・ジャパン)をお招きし、多様な文化背景を持つ人々とのコミュニケーションについて講演をして頂きました。また、毎年4月に国際交流科1年生全員と普通科1年生希望者を対象に、国際交流セミナーを実施しています。国際理解活動・外国語体験・日本の伝承文化体験などを通して、文化や価値観の相違点や共通点について学習を深め、国際理解に対する興味・関心を喚起することに重点を置いています。

②   防災・環境に係わる活動

防災教育に関して、昨年度和歌山県で開催された「世界津波の日サミット」への参加を通じて学んだ津波防災に関わる学習と、世界49カ国から集まった400名の生徒たちと交流した経験を元に、変わりゆく世界に津波防災はどのように対応していくことが必要なのか、「これからの津波防災」について理解を深めました。また本校は海岸からの距離も近いため、南海地震に備えた防災避難訓練と防災講習を毎年行っています。和歌山県では、津波予想システムを活用した緊急速報メールによる避難の呼びかけや避難場所安全レベルの設定、直近の大災害の分析を加えたハザードマップの作成など先進的な津波対策に力を入れています。津波対策の周知と瀬音の津波防災意識の向上が、来たるべき災害への最大の備えであると考え取り組んでいます。

また、今年度より新しく総合的な学習としてSDGsを取り上げ、持続可能な発展と環境・資源問題について学ぶ取り組みを始めました。身近にあるスマートフォンを題材に、世界経済のしくみや問題点を取り上げ、改善のために何ができるかを検討し、私たちが目指すべき未来について考える取り組みを行いました。

③  平和・人権に係わる学習

国際交流科1年生で実施されるカナダ研修旅行では、ホームステイや現地高校生との交流を中心に、カナダの多様な文化を背景に持つ社会について学びます。事後学習では生徒は各自でテーマを設定し、カナダに関する調べ学習を行いクラスで発表しました。代表者は次年度に1年生の前で発表し、次年度海外研修旅行の事前学習の中でその成果を発表します。

平和学習に関しては、普通科2年生で沖縄修学旅行を実施しています。修学旅行の前後には、基地問題や沖縄の自然環境、民俗などについて班別にテーマを設定し、調べ学習と発表をすることで、平和や人権、環境に関する探究学習を進めています。国際交流科の海外修学旅行の事後学習代表者も含め、クラス代表者が2学年全員の前で学習の成果を発表しました。

来年度の活動計画

引き続き交流および語学学習を中心に国際理解教育を推進し、平和や人権、防災、環境、観光などの共通課題に取り組みながら、国際社会の一員としての自覚を高める取り組みを進めていきたい。来年度もタイ、中国などの姉妹校・交流校との学校訪問や、カナダ研修旅行を中心とした交流活動が予定されている。生徒間の積極的な交流を推進するために、国際教育部を中心に学校全体での国際理解教育に取り組みたい。