2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 環境, 世界遺産・地域の文化財等, 福祉, 持続可能な生産と消費, ジオパーク

本校は、「地域を誇りに思う児童の育成」を活動テーマとし、ESDの実践を通して地域の「人・もの・こと」とのつながりを尊重する態度の育成を目標とした。

具体的には、ふるさと学習を柱に、①自然環境に係わる活動、②福祉に係わる教育、③地域の産業に係わる学習、④地域の伝統文化に係わる学習を行った。

  • 地域の自然・環境に係わる活動

【学校となかよし しぜんとなかよくなろう 1年】

自分で種を蒔いて育てることで植物に対する愛着を感じたり、身の回りの自然に関心を持ってもらうため、あさがお・ひまわり・ふうせんかずら・おしろいばな・ほうせんか等の栽培・収穫を行った。また、校庭や公園でお気に入りの葉や実を集め押し花や色水あそび、工作などを楽しんだ。種や手作りのおもちゃは、こども園の年長さんにメッセージをつけてプレゼントした。自分たちが育てて収穫した種の特徴を、相手の顔を思い浮かべながら、思いやりのあるメッセージに書いていた。

【地域の方と 野菜を育てよう・収穫しよう 2年】

・自分の鉢で自分の好きな野菜を育てて収穫した。また、校地でサツマイモとポップコーンを栽培した。さらに、地元の農家「すみれグループ」さんの畑で、ジャガイモや里芋の収穫体験を行った。

 

【町探検にでかけよう 2年】

・地域のお店や施設を探検し、仕事について教えてもらったりインタビューをしたりして新聞にまとめた。

【勝山の宝を見つけよう 3年】

・「ジオパークって何だろう」

私たちの身近にある「すてきなもの」を勝山市役所の方に紹介していただいた。越前大仏で有名な清大寺は大仏の高さや五重の塔が日本一の大きさで、外国人観光客に人気であることや、平泉寺には天然記念物のニホンカモシカが住んでいること、おもしろい苔が生えていることを知った。また、恐竜の化石は日本全国で8種類しか見つかっていないが、勝山市では5種類の化石が見つかっていることを聞き、児童は驚くとともに勝山市を誇りに思う気持ちを抱いていた。

福祉・健康に係わる教育

【勝山に優しさを広げよう・4年】

・多様な人が勝山に住むことを知り、自分たちにできること、多様性を考えることを目的として、勝山市社会福祉協議会と連携し、ブラインドウォーク体験、インスタントシニア体験、点字体験、マタニティ体験を行った。

・ブラインドウォーク体験や点字の学習を行い、校区に住む視覚障害者の方とビデオレターのやりとりをして交流をした。普段の生活のことや趣味のこと、されると嬉しいこと等話していただいた。

・マタニティ体験を行い、妊婦の大変さを体験した。自分たちにできることを考えるとともに、自分を育んでくれた親に対して感謝の気持ちを持つことができた。

・例年行っている地区の敬老会との交流は行うことができなかったが、独居老人が市内にたくさんいることを学び、クリスマスカードを通じて笑顔や優しい気持ちを届けようと企画した。実施に当たっては地区の社会福祉協議会に協力を仰いだ。

【新入生に優しさを広げよう・4年】

・校区内の保育園、幼稚園は訪問できなかったが、自分達がこれまでに受け取った優しさを新入生に伝えることを目的として活動した。新入生が入学を楽しみにしてくれるような番組作りを行った。

  • 地域の産業に係わる学習

【勝山の宝を見つけよう 3年(ジオパーク学習、市内探検)】

・「ゆめおーれ勝山」「清大寺(越前大仏)」「平泉寺・まほろば」「道の駅」見学では、実際に機織りの機械を見たり、養蚕

についてお話を聞いたりした。また、大仏の大きさを目の当たりにすることで、児童は「勝山にはすごいものがたくさんあ

る!」「もっとアピールしたい」という感想を持っていた。それらを発信するためにはがき新聞づくりに取り組んだ。

【恐竜だけじゃない!勝山(勝山の食文化についての学習)5年】

・雪室の見学(勝山の気候と農家の昔からの工夫についての学習)

・長谷川農園さんの若猪野メロン農園見学(九頭竜川の豊かな水や気候について学習)

・学校給食や生活科、総合的な学習の時間でお世話になっているすみれグループさんの田畑を見学

①社会科との関連で米づくりについて調べ、田んぼの見学と稲刈り体験

② 稲刈りをした米を家庭科の調理実習で実食

③ 稲狩りが終わった田んぼの再利用で勝山水菜の種まき

④ 勝山水菜の間引き体験

・勝山の食についてまとめ、ふるさと学習ニュースを作成

【勝山再発見 6年】

・修学旅行で行った県内各地の名所から福井の魅力を再発見することができた。子供たちは、「福井県の良さを知ることがで

きて福井のことをもっと好きになった。」や「福井の自然は、美しいと感じた。」など感想を持っていた。

・「恐竜渓谷かつやま道の駅」を訪ね、勝山の魅力をどのように発信しているかを考察した。新鮮な勝山の野菜や県内各地の名

産品を取り揃えている店内を回りながら、県外の方にもっと勝山のことを知ってもらいたいと感じることができた。

・理科の学習と連携して県立恐竜博物館を訪問し、古代の自然について学ぶ場を設定した。

  • 地域の伝統文化に係わる学習

【3年・左義長まつり】

地域のお祭りである「左義長まつり」について調べ、左義長まつりの歴史や、そこに込められた想いに触れた。今まで気付かなかったお祭りを受け継いできた地域の方の願いに気づくことができた。

来年度の活動計画

 次年度も今年度の活動を継続、発展させたものを行う予定である。自分たちで課題を見つけけ、自分たちの活動と地域とのつながりをより感じてできることを考え行動する活動に取り組んでいきたいと考えている。以下、それぞれの学年で行う予定の活動を挙げる。

【1、2年生】

・公園探検・町探検を中心にした地域学習

・地域の方に指導していただきながら野菜を育てる。また、育てた野菜を調理し、地域の農業グループの方々へ感謝の気持

ちを伝える。

【3年生】

・大師山登山を通じてジオパークについて学び、勝山の豊かな自然に親しむ。

・「野外恐竜博物館」「ジオパークかつやま」を活用して、地域の自然環境に対する関心を高める。

・「平泉寺散策・まほろば」等を通じて地域に対する理解を深める。

【4年生】

・校区内の保育園、幼稚園、老人ホーム等を訪問し、園児や老人を楽しませる活動を通じて様々な年代との交流と、計画立

案能力を高める。

・手話や災害ジェスチャーについての話を聞き、体験する。

【5年生】

・蚕の生態や養蚕について学び、自分たちの手で蚕をたまごから育てて地域の繊維産業の歴史を体験する。

【6年生】

・1~5年生で学んだことを活用し、勝山市の魅力と現状を知った上で、自分たちの手で勝山を盛り上げる方法を探し、提

案する。