2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 国際理解, 平和, 人権, その他の関連分野

 本校は、校訓である「自彊自律」「和敬禮節」を学校理念として、ESDを「持続可能な地域・社会の担い手となる、誠実で心身ともにたくましい人材の育成」と捉え、ESDの実践を通して、「協働する力」「他者の立場で考える力」「未来を見通す力」からなる「人間力」の育成を目標とした。

具体的には、「国際理解教育、人権・平和学習、環境・防災学習」を柱に、①多様性を尊重した「国際理解教育」、②機会均等や非排他性を意識した「人権・平和学習」、③課題解決力の育成を目指す「探究学習」を行った。

①  多様性を尊重した「国際理解教育」

3月末〜次年度4月にかけて、23年目になる「海外研修」を実施予定である。1学年の希望者(43名)を対象に、6日間の事前学習の後、7泊8日の日程で海外の高校生との交流・語学研修・ホームステイを行なう。外国文化に直接触れて理解・関心を深め、実践的な国際感覚を身につけ、異文化理解に努めるとともに、日本人としての自覚を高める。また、ホームステイによる生活体験などを通じて、学校での学習効果を自ら確認し、実践的な語学力の向上に努める。これによって、国際化時代に対応できる豊かな人間形成を目指している。

②  機会均等や非排他性を意識した「人権・平和学習」

8月の長崎原爆の日には、全学年生徒・職員を対象とした平和学習を行った。「ピースアンバサダー」と称して有志の生徒を集め、現地でのフィールドワークや被爆者への取材などを行い、プレゼンテーションにまとめて全校生徒と活動内容を共有した。また、1学年全生徒を対象とした「DV防止講話」、全学年希望者を対象とした「特別支援学校との交流活動」も継続して実施している。他者の痛みを知ること、異なる視点で捉え直すこと、生命に触れることを通じて、「他者の立場で考える力」の育成に取り組んだ。

③  課題解決力の育成を目指す「探究学習」

1、2年次の総合的な学習の時間を活用して、現代世界が抱える諸課題について学習し、課題解決力の育成を目指した。1年次は、「世界を知る。私たちにできること。」をテーマとして、世界の主要国がそれぞれに抱えている課題を、SDGsの各項目を中心にとらえる学習を行なった。また、2年次には、修学旅行等で発見した疑問や課題点をきっかけに、「東京オリンピック・パラリンピック」をテーマとして課題研究とその発表を行った。

来年度の活動計画

次年度は、継続して「国際理解教育」を中心として、「協働する力」「他者の立場で考える力」「未来を見通す力」を涵養していく。毎年度実施している「海外研修」を中心に、外国語検定等も実施する。また、次年度は教職員のESDSDGsに対する理解をより一層深め意義を再確認するために、SDGsのそれぞれのロゴマークを様々な場面で活用できるように整備し、教科指導や生徒指導、進路指導などを通じて、学校全体でSDGsへの取り組みを進めていきたい。さらに、総合的な探究の時間を活用して、SDGsを中心とした探究学習を全学年で実施していきたい。全校生徒、全職員で本校の諸活動をSDGsの各目標と関連付けて、それぞれの行事や活動の意義を整理し、各学年ごとに設定したテーマで研究・発表を行っていきたい。