2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等

「学ぶ力を身につけ、国際社会に生きる児童生徒の育成」を教育目標とする本校は、国際都市名古屋の中心地たる名古屋・国際センターのほど近くに位置し、名古屋市の帰国児童生徒の受け入れ校でもあり、国際色豊かな地域・学校である。その一方で、「山車、お囃子、からくり人形」といった地域の歴史、伝統文化を大切にする地域でもある。さらに本校は名古屋市初の小中一貫教育校として児童生徒の義務教育9年間を見据えた教育を行う重責を担っている。
本校では、ESDを地域の伝統文化・郷土文化の理解と伝承と捉え、その実践を通して地域への愛着を高め、よりよい郷土の創造に向けて自己の生き方を考え続ける姿勢と他者の尊厳を認める人間性をはぐくみ、国際社会に生きる児童生徒の育成を目標としている。具体的には、地域の伝統文化・郷土文化にふれる体験を積極的に取り入れた「郷土に係わる活動」を柱として行っている。

学区にはお囃子とともに、山車が練り歩く200年以上引き継がれている伝統的なお祭りがある。本校では、そのお祭りの歴史や文化についての学習を行っている。お祭りには、学区にある二福神車、唐子車、紅葉狩車といった3輛の山車が出る。そのうちの2輛を校内に保存しており、学区の伝統文化にふれ合う機会に恵まれている。また、山車にはそれぞれ、からくり人形が備え付けられており、お囃子の音楽に合わせて披露される。その伝統文化にふれるため、お祭りを伝承している方々を本校に招き、お囃子体験をしたり、山車について学んだりしている。

1学期には、お囃子の体験として、演奏に使用する和楽器を実際に鳴らしたり、鑑賞したりする体験活動を行った。

2学期には、学区に出て山車の上で披露されるからくり人形の操作を体験するとともに、お祭りに携わっている保存会の方が、人手不足によって後継者不足に困っている現状や継承の難しさを学ぶことができた。

来年度の活動計画

地域の方による授業や講演は、児童生徒、保護者、教職員に大変好評であり、ESDの推進においても効果的であると考えられるため、積極的に取り入れていこうと考えている。探求する課題としては、「地域の祭りと山車の特色や様子について理解する(1年)」「日本の伝統文化を知るとともに、地域の祭りと山車の歴史について理解する(2年)」「日本の伝統文化を知るとともに地域の祭りと山車の現状について理解する(3年)」と学年ごとにねらいを定めることで、生徒は段階的に地域の伝統的文化への理解を深めていく。これらの知識や理解を基に、課題解決に必要な情報を収集・整理・分析したり、相手や目的に応じて、分かりやすくまとめたりする力を身に付けさせていきたい。