2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

世界遺産・地域の文化財等

「学ぶ力を身につけ、国際社会に生きる児童生徒の育成」を教育目標とする本校は、国際都市名古屋の中心地たる名古屋駅・国際センターのほど近くに位置し、名古屋市の帰国児童生徒の受け入れ校でもあり、国際色豊かな地域・学校である。その一方で、「山車、お囃子、からくり人形」といった地域の歴史、伝統文化を大切にする地域でもある。さらに本校は名古屋市初の小中一貫教育校として児童生徒の義務教育9年間を見据えた教育を行う重責を担っている。

本校では、ESDを地域の伝統文化・郷土文化の理解と伝承と捉え、ESDの実践を通して地域への愛着を高め、よりよい郷土の創造に向けて自己の生き方を考え続ける姿勢と他者の尊厳を認める人間性をはぐくみ、国際社会に生きる児童生徒の育成を目標としている。具体的には、地域の伝統文化・郷土文化にふれる体験を積極的に取り入れた「郷土に係わる活動」を柱として行っている。

○ 郷土に係わる活動

学区にはお囃子とともに山車が練り歩く200年以上引き継がれている伝統的なお祭りがある。そのお祭りの歴史や文化についての学習を行っている。

 お祭りには、学区にある二福神車、唐子車、紅葉狩車といった3輌の山車が出る。そのうちの2輌を校内に保存しており、学区の伝統文化とふれあう機会に恵まれている。また、山車にはそれぞれ、からくり人形が備え付けられており、お囃子の音楽に合わせ披露される。その伝統文化にふれるため、お祭りを継承している方々を本校に招き、お囃子体験をしたり、山車について学んだりしている。
 1学期には、お囃子の体験として、演奏に使用する和楽器を実際に吹いたりならしたりする体験活動を行っている。また、2学期には、学区に出て、山車の上で披露されるからくり人形の操作を体験するとともに、お祭りに携わっている保存会の方が、人手不足によって後継者不足に困っている現状や継承の難しさを学ぶことができた。

来年度の活動計画

2019年度の実践の成果と課題、児童生徒の実態をふまえながら、活動計画を作成していく。地域の方による授業や講演は、児童生徒、保護者、教職員に大変好評であり、ESDの推進にあたっても効果的であると考えられるため、積極的に活動していく。

 本年度は、「山車や絡繰り人形の歴史を知る(1年)」「現在の現状を知る(2年)」「自分がどのように地域の中で関わっていくのかを考える(3年)」と学年ごとにねらいを定めることで、生徒は段階的に地域の伝統的文化への理解を深めていった。3年生では、伝統を継承していくことの大切さと難しさを感じ、文化の継承することの重みを感じたり、次は自分達が支えようという気持ちをもったりした生徒も見られた。

保存会の方との連携も年々親密になってきているので、来年度も、1学期「お囃子体験」、2学期「山車・からくり人形学習」を行っていきたい。