2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

世界遺産・地域の文化財等, 国際理解

 「学ぶ力を身につけ、国際社会に生きる児童生徒の育成」を教育目標とする本校は、国際都市名古屋の中心地たる名古屋駅・国際センターの近くに位置し、名古屋市の帰国児童の受け入れ校でもあり、国際色豊かな地域・学校である。その一方で、「山車、お囃子、からくり人形」といった地域の歴史、伝統文化を大切にする地域でもある。さらに本校は名古屋市初の小中一貫教育校として児童生徒の義務教育9年間を見据えた教育を行う重責を担っている。

本校では、ESDを地域の伝統文化・郷土文化の理解と伝承と捉え、ESDの実践を通して地域への愛着を高め、よりよい郷土の創造に向けて自己の生き方を考え続ける姿勢と他者の尊厳を認める人間性をはぐくみ、国際社会に生きる児童生徒の育成を目標としている。具体的には、①郷土学習に係わる活動、②国際理解教育に係わる活動を柱として行っている。

①  郷土学習に係わる活動

学区にはお囃子とともに山車が練り歩く200年以上引き継がれている伝統的な祭りがある。その祭りの歴史や文化についての学習を行っている。祭りには、学区にある二福神車、唐子車、紅葉狩車といった3輌の山車が出る。その内の2輌が校内に保存されており、学区の伝統文化に触れる機会に恵まれている。また、山車にはそれぞれ、からくり人形が備え付けられており、お囃子の音楽に合わせ披露される。その伝統文化に触れるため、祭りを継承している方々を本校に招き、山車についての学習会を行っている。

②  国際理解教育に係わる活動

海外帰国児童の受け入れ校という特性を生かし、帰国児童から、在留国の様子や慣習を聞いたり、調べ学習を行ったりする。さらに「国際交流」の一環として、中国からの教育旅行生との交流活動を行い、「折り鶴」を一緒に折ったり、校歌を互いに披露し合ったりする。外国の生活、文化、風習、外国語などについて学習するとともに、自国の文化への理解を深めている。

 

 

来年度の活動計画

2020年度の実践は、感染症対策のため、例年の活動ができなかった。そのため、2019年度の実践の成果と課題、児童生徒の実態を踏まえながら、活動計画を作成していく。地域の方による授業や講演は、児童、保護者、教職員に大変好評であり、ESDの推進にあたっても効果的であると考えられるため、積極的に活動していく。児童は伝統文化に触れたり、国際交流したりする活動を通して、多様化する国際社会の中で、友達や周りの人の考えを尊重し、自らの力で課題や変化に対応する力を身に付けることができたと考える。

来年度も、地域の伝統文化にふれる「郷土学習に係わる活動」、児童生徒の多文化共生の国際感覚を養っていく「国際理解教育に係わる活動」の2本柱で行っていきたい。