2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 平和, 人権, ジェンダー平等, 持続可能な生産と消費, 食育

1 はじめに

昨年度に引き続き、「ESDで学校教育目標の実現を図る」を学校全体の研究テーマと定め、学年ごとにスケジュールを立て、実践を行っている。同テーマとしては2年目であるため、昨年度の実践を踏まえ、実践内容を深化させた。

なお、本校の教育目的及び目標は、以下の通りである。

【教育目的】キリスト教的人間観に基づく人格形成の教育

【教育目標】

1.世界と自己のうちに働く神を知り、感謝と愛のうちに生きる人

2.内なる良心に従い、自己の言動に責任を持つ自由な人

3.自己に与えられた課題に常に挑戦し、自他を発展させるために努力する人

4.自他の尊厳を認め、へりくだる心を持って福音的な社会の建設に向け自己の使命を果たそうとする人

これらは、学年に応じたかたちで、目指すべき児童・生徒像が子どもたちに提示されている。

1~7年生:「愛を実行する子ども」「力強い子ども」「進んで学習する子ども」「世界の兄弟と手をつなぐ子ども」

8~9年生:「愛」「自由」「挑戦」「志」

 

2 活動の具体的な重点項目

(1)目指す児童生徒像の系統化を図る

昨年度まで各学年で定めていた「目指す児童生徒像」を、学校教育目標を踏まえながら、ESDで目指す児童生徒像(及びルーブリック評価基準)をステージ毎に設定することとする(発達段階等を考慮し、ファーストステージは2分割にする)。

(2)研究キーワードの設定

ステージ毎に、活動の大まかな枠や指針にあたるものとして、「研究キーワード」を設定する。

1・2年  Ⅰ and you ~手をつなごう

3・4年  生活と環境~地球・命を守ろう

5・6・7年  私と社会~周囲のために行動しよう~

8・9年  将来と多様性~自己と他者を認めよう~

この研究キーワードを踏まえ、学年の活動を年間通して位置付けていく。これに伴い、昨年度までの学年テーマに相当するものは事実上なくなり、短~中期的な活動計画が策定された。

 

3.実際の活動について

実際の活動においては、ユネスコスクールが取り組むべき3分野、①地球市民および平和と非暴力の文化、②持続可能な開発および持続可能なライフスタイル、③異文化学習および文化の多様性と文化遺産の尊重に、様々なかたちで迫るかたちとなった。いくつかの実践を紹介する。

【3年生の実践】

活動名:自然災害と命を守る活動について学び、できることを考え、実行しよう

学校目標との関わり:力強い子ども

活動の概要:自然災害に備えて、どのようなことが自分たちにできるか、家庭、学校の両面を想定して学びを深めた。その後、市、県、国単位でどのような取り組みがなされているのかも知った。それらの学びを踏まえ、「災害シミュレーションゲーム」を行った。具体的には、「大きな地震が起こり、学校が避難所になった場合、自分たちに何ができるのか」を考えるシミュレーションであった。

教科・行事との関連:社会「自然災害から暮らしを守る」

地域、企業、団体等との連携:なし

成果と課題:大きな災害を体験していない子どもたちにとっては、災害を想定することは困難であったと思われるが、子どもたちなりに真剣に考え、話し合い、意見をまとめ、議論を深め合うことができた。これらの活動は継続に行うことでより意味を持つと思われる。

 

【6年生の実践】

活動名:未来につながるプログラミング

学校目標との関わり:進んで学習する子ども

活動の概要:SDGsの目標を参考にして、現代社会の課題に目を向けて調べ学習を行い、問題を解決するために、人間にできること、ロボットにできることを考える。そのうえでSPIKE PRIMEを活用しながら、プログラミングの工夫を考える。

教科・行事との関連:国語「具体的な事実や考えをもとに、提案する文章を書こう」「目的や条件に応じて、計画的に話し合おう」「資料を使って効果的なスピーチをしよう」

地域、企業、団体等との連携:なし

成果と課題:「SDGsを手がかりに未来につながるプログラミングの工夫を考える」という今回のテーマは、研究主題「ESDで学校教育目標の実現を図る」に迫りやすかったと感じている。また、目指す児童生徒像としての「身近な諸問題や世界の現状に対して自分たちにできる解決策を協働して意欲的に考え、社会に貢献しようとしている」活動を行うことができた。ルーブリックもそのままの形で振り返りがしやすかった。

4.終わりに

昨年度から引き続いての研究テーマであるため、活動自体は深化したように思われる。特に、年度通してのテーマを廃し、活動ごとに期間を設定するようにしたことにより、各学年、柔軟な活動を展開できている。しかしながら、地域や企業、団体との連携がどうしても開拓できないのが現状の課題といえる。

来年度の活動計画

まず、明確に文言としては示さなかった、ユネスコスクールが取り組むべき3分野についての教員、児童・生徒間の浸透が必要である。加えて、学校全体の研究テーマも見直すべき時期であるため、児童・生徒、教員ともに学びを深めていけるよう、学校として進んでいきたいと考えている。