2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 世界遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 福祉, 持続可能な生産と消費

本校は平成27年度より文部科学省からスーパーグローバルハイスクール(SGH)に指定され、それらのSGH活動を、従来取り組んできたユネスコスクールのESD活動と連携してきた。これまでESDとして築いてきた学習手法や理念を活かして教育課程を編成し、よりグローバルな視点から実施している。

 SGH課題研究は、モンゴルでの「貧困とストリートチルドレン」およびマレーシアでの「経済発展と自然破壊」をテーマに進めてきた。また、SGH継承事業として、ドイツの再生可能エネルギーの課題研究も進め、SDGsの観点からもESD教育を推進している。具体的取組みとしては、(1)授業・特別講座、(2)課題研究と国内・海外実態調査、(3)国際交流、のそれぞれの活動の中で行っている。

(1)授業・特別講座に係わる教育

授業・講座は、「産業社会と人間」「総合的な学習の時間」「プレ課題探究GS」の科目を中心に、また、各教科と連携して行っている。外部講師を招いて講演やワークショップを行い、アクティブラーニングを実践している。外部講師として、大学教師、元国連職員、JICAなど国際活動の現場で活動している人々を招いて、参加型の授業を行っている。また、ユネスコ国際交流委員会を中心に教科横断型の授業も設定し、ESDが学校全体の認識となるよう工夫している。

(2)題研究と国内・海外実態調査

本年度は、3年生SGS授業受講生徒3名および2年プレ課題探究GSの生徒1名が、海外実態調査でマレーシアのボルネオ島を訪れ、パーム油産業と環境保全の問題についてフィールドワークを行った。アブラヤシプランテーションや搾油工場を訪れ、聞き取り調査や工場見学を行い、パーム油生産が環境に与える影響の実態について調査・研究を行った。

(3)国際交流

 2年次3学期に実施される修学旅行では毎年マレーシアを訪れ、姉妹校アスンタ高校との交流やマレーシアの歴史・自然の学習を行っている。

 留学生については、本年度は、年間留学生1名(タイ)、短期留学生2名(モンゴル、タイ)を受入れた。留学生たちは、日々のクラスでの交流に加え、校内での異文化理解授業、また地域の小学校・中学校での出前授業などのプログラムで、より交流できる機会を持った。また、大学で行われた英語村に参加し、世界の様々な国の出身者と交流し、価値観の違いに触れ、ESDで学んだ知識を実際の交流の場で確認することができた。

来年度の活動計画

SGH指定が終了し、SGH後継事業といくつかのプログラムの実施が予定されている。これまでの成果を活かしながら課題点を改善し、①授業・特別講座、②課題研究と国内・海外実態調査、③国際交流の分野でそれぞれ活動を行っていく。

(1)授業・特別講座では、プレ課題探究GSを中心に、各教科の連携と横断型授業の実施によりSDGsGAPをより意識した内容に改定し、特別講座での講師の選択を考える。

(2)課題研究と海外調査では、マレーシアの経済発展と環境破壊の研究を継続しながら、フィリッピンへの海外調査を計画している。マレーシアでは、例年実施しているマレーシア修学旅行と海外調査を連続した日程で実施予定であり、より集中した学習をめざしている。

 ③国際交流では、修学旅行で例年通りマレーシアを訪れる。4月よりEメールでマレーシア姉妹校生徒と意見交換を行い、3学期1月には実際に訪問し交流を行う。留学生については、4月より年間留学生、またドイツから3か月留学生を受け入れる予定。