2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 持続可能な生産と消費

本校は、自己の成長・他者とのかかわりを活動のテーマとして、ESDを生活のなかから課題を見つけ、多面的・総合的に考えながら解決し、自己を見つめていく教育ととらえ、ESDの実践を通して、各教科・領域特有の資質・能力と非認知的能力の育成を目標とした。

具体的には、伝統文化に係わる活動、持続可能な社会づくりに係わる活動、国際理解に係わる活動を行った。

 

  • 伝統文化に係わる活動

3年 社会科「透明すぎる心太にこめられた 長坂さんの 思い」

140年続いている池田屋の心太がどうして透明で臭みがないのか疑問に思った子どもたちは、池田屋の店主である長坂さんから作り方やこだわりを聞いた。そのなかで、天草を半日以上かけて、手作業で洗っていることに疑問をもった子どもたちは、どうしてわざわざ手作業で行うのか追究をしていった。長坂さんに繰り返し取材をすることで、洗う工程にこだわることは、伝統を守ることに繋がると考えるようになった。また、お客さんの実際の声を聞くことで、変わらない味を作り続けることの難しさと大切さに気づくことができた。この活動を通して、地域の職人に目を向け、伝統を守ることの意義について考えることができた。

 

  • 持続可能な社会づくりに係わる活動

4年 社会科「命をつなぐ下水道 ―暮らしを支える水道局のはたらき―」

生活に欠かせないものの一つに「水」があると考えた子どもたちは、浄水場職員の協力を得て上水道の学習を行った。その後、自分たちが利用した後の水のゆくえについて興味をもった。水道局下水施設課職員や下水処理場職員に、岡崎市の下水道の現状や下水処理の仕方等を聞き、岡崎市の将来に危機感を抱いた子どもたちは、現状の背景にある問題や安全な水を利用し続ける方法について追究を進めていった。繰り返し取材をしたり、市民への意識調査をしたりすることで、将来にわたり安全な水を利用し続けるには、水道局のはたらきと、市民も協力し、日頃から節水や下水道を汚さないことを意識して生活することが必要であると考えるようになった。この活動を通して、身近な問題に目を向け、持続可能な社会づくりをしていこうとする意識を高めることができた。

  • 国際理解に係わる活動

5年 英語科「附小ベーゴマ倶楽部 伝えたい ベーゴマの楽しさ

Let’s enjoy playing with small spinning tops. -Beigoma Game- 」

ベーゴマ遊びに夢中になっている子どもたちは、外国の人と交流する機会があることを知り、外国の人にもベーゴマの楽しさを伝えたいという思いをもった。ベーゴマで遊ぶために、ひもの巻き方、ベーゴマの回し方や対戦のルールを説明しようと英語表現や伝え方を考えた。実際に交流をするなかで、初めて日本の遊びを体験する外国の人が失敗したり、うまくいかない状況を想定したりし、こつを教えたり励ましたりする必要性があることにも気づいた。活動を通して、外国の人の気持ちや状況に配慮したコミュニケーションスキルを拡げるとともに、日本の文化について理解してもらえたという喜びを感じることができた。

 

来年度の活動計画

これまで本校は、生活教育の理念を大切にし、生活のなかから子どもが課題を見つけ、解決する力を育むために、問題解決学習を展開してきた。ユネスコが提唱する教育理念『学びの4本柱』の1つである「知ることを学ぶ」力を高めるために、それとつながる部分の多い本校の問題解決学習を、令和5年度も継続していきたい。各教科の授業において、子どもの気づきや疑問から問いを生み、それを解決するために追究し、仲間と考えをかかわらせるなかで、見方や考え方を深め、拡げていく。そうすることで、知ることを学ばせていきたい。また、相互理解の精神を育む「共生教育」も、附属岡崎中学校・附属特別支援学校、父母教師会との連携を強化し、様々な人とふれあうことで、共に生きることを学ばせたい。