2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, 国際理解, 人権

本校は,ESDについて「生活のなかから問題を見つけ,多面的・多角的に考えながらその問題の解決方法について追究し,解決を図っていく過程を通して自己を見つめていくもの」としてとらえ,ESDの実践を通して,多面的・多角的に考える問題解決を図る力とコミュニケーション能力の育成を目標として実践を行っている。

 具体的には,①人権に係わる活動(共生教育),②減災・防災に係わる活動,③国際理解に係わる活動などを行った。

①人権に係わる活動(共生教育)
 サツマイモの苗を植え、育て、収穫する活動を通して、附属特別支援学校、附属岡崎小学校の児童生徒の交流を図り、障害の有無、年齢差など、個々の違いを認め合いながら、互いのできることやよさを尊重する心を育てることを目指した。
 芋のつるはしを植える活動では、附属特別支援学校の児童生徒(小学部~高等部)と一緒に、スコップで穴を掘り、丁寧に芋のつるはしを植えていたり、植え終わった後にハイタッチをして一緒にできたことを喜んでいたりする姿が見られた。年間を通して継続的に交流の場を設けることで、お互いのよさに気づき、交流を深めていくことができた。

➁減災・防災に係わる活動
 小4「地域の安全は自分たちで守る!-市民生活を支える広幡消防団-」
 自分の仕事を抱えつつ,ほぼ無償で43年間も消防団を続けている方から話を聞き,一方で消防団活動に全く参加していない自分の親と比較して考えてみた子どもたちは,どうして働きながらも消防団活動を43年間も続けているのかという問題意識をもち,追究を始めた。防災課への聞き取りをしたり,市民の意識や実態を調べたりして一人一人が自分の考えをもったところでかかわり合いを行った。かかわり合いを終え,災害の抱える課題や防災のあり方にまで目を向けた子どもたち。さらに防災課への提案や市民への聞き取りを行いながら,市民の意識を高めたり,市民の理解を図ったりするとともに,市民同士の協力の必要性に気づいた。単元を通して,これからの防災のあり方に対する見方や考え方を拡げた子どもたちは,社会の一員として行動しようとする姿を見せた。

③国際理解に係わる活動
 本校が交流事業を行っているバリス校は,愛知教育大学が姉妹提携をしているアメリカインディアナ州にあるボールステイト大学の附属小学校である。1週間程度の訪問と受け入れ活動を一年ごとに交互に行ってきている。今年度は,受け入れ活動の年にあたり,バリス校の児童20人が小さな親善大使として,本校を訪れ,ともに授業に取り組んだり,ホストファミリーと交流を深めたりした。
 実際の交流活動では,全学級の児童がバリスの子たちと,休み時間や交流授業などを通して交流した。なんとか自分の考えや思いを伝えようと四苦八苦する姿,言葉の壁を越えともに夢中になって遊ぶ姿,折り紙など日本の遊びを寄り添いながら伝える姿など,日に日に積極的になる様子が見られた。バリスの子どもたちも,日本語で話しかけてくることが増えた。お互いにもっと知りたいという想いをもち,自然にふれあうことができるようになった。両校の友情が深まるよい交流となった。

来年度の活動計画

令和2年度についても,相互理解の精神を育む「共生教育」を活動のテーマとして,生活のなかから課題を見つけ,多面的・総合的に考えながら解決し,自己を見つめていく子どもの育成をめざしていく。 
 また,附属岡崎中学校・附属特別支援学校との連携を強化し,授業での交流,農園での共同作業,放課の自由交流,学校行事での交流を考えている。教職員については,研修や研究で交流を行う。保護者は,学校行事や父母教師会での交流を行う。