2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 世界遺産・地域の文化財等, 福祉, 持続可能な生産と消費

本校は教育目標に「ともに支え合い,心豊かにたくましく生きる児童を育成する」を掲げている。この教育目標を達成するために,「夢や目標に向かって努力する子」,「ともに認め合い支え合いながら自他を大切にする子」,「自分で判断して行動する子」の育成を目指し,日々の教育活動を行っているところである。加えて将来の世代にわたり持続可能な社会を実現していくことを目指すESDの考えを大切にしながら,持続可能で住みよい社会づくりに主体的に関わることができる子どもを育成したいと考えている。特に体験的な活動を通して,問題解決能力や,情報活用能力を育てていきたい。

【多様な事象と関連性をもたせた学習】
田植え前の田んぼに水を引いて行う「どろんこ体験」をはじめ,田植え体験,案山子作り,稲刈り体験,「ライスパーティー」といった米作りに関する体験的な学習と並行して,地域の歴史や環境,地域の方の働きかけなどを調べる活動を取り入れた。さらに,現在,日本が抱える社会問題や環境問題と関連させ,米の生産量の減少についての原因を探る活動を行った。

【身の回りの田んぼを守るための学習】
学区の今と昔の様子を比較する中で,これから自分たちの学区にある田んぼを守るために自分達ができることはないか考える活動を行った。この活動で調べたことを多くの人に知ってもらい,身の回りの人の意識を変えたいという思いをもった子どもたちは,地域の人や保護者に向けて,田んぼを守っていくための方法や稲作の大変さについて発表する機会を設けた。

【参加者の行動変化,変容を引き起こすような学習】
社会科「米作り」の学習で,稲作の方法・手順や携わる農家の人の苦労や工夫などを勉強したところで,「自分たちの田んぼでは,地域の方がどのような工夫をしてくれているのだろうか。」と尋ねることで,地域の方が行っている働きかけについて考える活動を行った。こうした学習を通して,地域の方への感謝の気持ちをもつことができるようになっていった。
また,地域の土地利用の変化や環境の問題に気がついたところで,「地域の方はどう思っているのか。」と問いかけることで,人とのつながりに目を向けることができるようにした。
さらに,地域の田んぼが以前と比べ減り,農家も減少していることに気づいたところで,「自分たちにもできることはないか。」と尋ねることで,自分たちも地域の一員であることを自覚させることができた。

今後も,これらの活動などを通じて,持続可能な方法で地域に参画しようとする態度を養っていきたい。

来年度の活動計画

めざす子ども像の「やさしい子」を育成するために,子どもの思いを大切にした行事の工夫や体験・交流活動の充実を位置づけ,実施している。また,学ぶ力や生きる力を育てる場として,総合的な学習の時間のねらいや位置づけを確認しながら,環境教育や地域文化などの領域に取り組んでいるところである。
これまでの取組の成果と課題をもとに見直しも行い,教科横断的な学びを進めていきたい。
また,中学校区の学校間で,ESDの取り組みについて情報交換の場を設けることとしている。