2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, 環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 人権, 持続可能な生産と消費

※2021年12月~2022年11月の活動について記入

本校は、「健康で心の豊かな子 まことを求め正しいことを守る子 よく考え実践する子 人を敬い助け合う子」という教育目標のもと、「探求的な見方・考え方を働かせ、よりよく課題を解決し、自己の生き方を考えていくための資質や能力の育成」をねらいとし、SDGsを意識したESDの実践を、各教科の学習や学校行事で進めた。

① 5年生 理科「流れる水のはたらきと土地の変化」(減災・防災)

砂場で実際の川を再現するモデル実験を通して、上流で削られた土が運ばれていき、最終的に積もる様子を観察した後、実際の川が氾濫している資料を提示した。児童は、実験の結果と資料とを照らし合わせながら、大雨が降ることで水量が増し、川の外側が決壊したり下流の地域に土砂が積もったりすることを実感した。そこで、「洪水に備えるためには、どのような工夫ができるだろうか」という学習問題を立て、解決に向けた探究的な活動を行った。児童は、削るはたらきが大きくなるカーブの外側に防波堤を作ったり、水が一気に流れ込まないように、支流を作ったり段を作ったりするなどの方法を考え、実際に検証するモデル実験を行った。実験を通して、児童は、川の特徴や地形に応じて洪水対策を行う難しさと重要性を実感することができた。また、その後行った調べ学習を通して、実際の川には様々な防災対策がなされていることを知り、自然とともに安全に暮らしていく大切さを感じることができた。

② 6年生 理科「生物どうしの関わり」(環境)

身の回りの生き物について考え、その中でも学校のビオトープで飼育しているメダカに着目させた。メダカは何を食べているのか、という問いに対して、子どもたちは水の中の小さな生き物と答えたため、ビオトープ内の微生物を顕微鏡で観察した。ビオトープ内には、自分たちが考えていたよりもたくさんの微生物がいることに子どもたちは驚いており、小さな生物とメダカのつながりを感じることができた。次時では、自分たちの食事、主に給食の食材について生物同士のつながりを考えさせた。飼育された鳥が鶏肉となり、その鶏は穀物を餌としていることや魚は水中の微生物を食べていることが分かった。子どもたちはいずれの食材も植物や水中の微生物につながっていることから、自分たちの食事には、身の回りの環境が関わっていることに気付くことができた。その後、子どもの「川や海の水が汚れたら給食が大変になる。」というつぶやきから、川や海が汚れたらどうなるのか、という問いを全員で考えた。環境汚染の問題が間接的に自分たちにつながっていることが分かり、環境を守っていくことの大切さを考えることができた。

 

③ 5年生 社会「わたしたちのくらしと工業生産」(持続可能な生産と消費)

日本にとって工業生産は、国民生活の向上に重要な役割を果たしている産業である。とりわけ自動車生産は、その中心であるが…。「この先、このまま自動車生産を続けていくことができるのかな?」子どもたちの素朴な疑問から、「これからの日本の工業生産は、どうあるべきか?」という学習問題を立てて、学びを進めた。宇宙ビジネスへの参入をサポートしている㈱サイエンス・クリエイトの勝間さんをゲストに招き、「日本人はゲームチェンジの意識が足りない」という言葉を頂いた。子どもたちは、「これまでの大量生産大量消費のルールでいいの?」「資源を使い切ってからでは、間に合わないのかも…」と、日本の工業生産が抱える課題について向き合った。議論の中で、「これまで日本の先人は、ゲームチェンジをしてきた。自分たちにも何かできるかもしれない」「これからの日本の産業について、もっと考えたい」という言葉があり、よりよい社会を共に創るきっかけとなった。

④ 4年生 社会科「愛知県の先人・焼き物のまち瀬戸市」(地域の文化財等、減災・防災、人権)

今でも伝統として残る文化や私たちの生活に関わるものは、すべて地域の先人によって築かれたものである。そこで、地域学習として、「なぜ、地域の先人は今でも語り継がれているのだろう」という学習問題を創り、子どもたちは、一人ひとり興味をもった愛知県内の先人についての追究を行った。子どもたちは、伝統工芸の有松絞りの開祖、反乱を繰り返す川の治水や農業用水を整備して地域の人々を救った先人、教育の普及に貢献した先人など、地域の文化財の開祖や生活に困っていた人々を救った先人について調べた。学習のまとめでは、「今に残るものには歴史やそれを支えた先人がいる」という内容の発言があり、地域の文化や安心した生活が人々の願いや工夫によって脈々と受け継がれていることについて理解を深めることができた。次の単元でも、焼き物の伝統工芸を大切に受け継ぎ、まちづくりに生かしている瀬戸市を取り上げ、地域の文化とまちづくりの関係について学ぶ学習を行い、伝統文化と地域との関係や歴史について、さらに理解を深める学習を行った。

来年度の活動計画

令和5年度においても、各教科の学習において、「探求的な見方・考え方を働かせ、よりよく課題を解決し、自己の生き方を考えていくための資質や能力の育成」を目標として各学年がテーマを設定した学習に取り組んでいく。コロナ禍においては、オンラインでの実施や、学習活動の内容を見直すなどして、継続的に取り組めるよう検討する。