2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, 環境, 福祉

本校は、「健康で心の豊かな子 まことを求め正しいことを守る子 よく考え実践する子 人を敬い助け合う子」という教育目標のもと、「探求的な見方・考え方を働かせ、よりよく課題を解決し、自己の生き方を考えていくための資質や能力の育成」をねらいとし、SDGsを意識したESDの実践を、各教科の学習や総合的な学習の時間、学校行事で進めた。

① 4年生 総合的な学習の時間「だれもが幸せになれる世界へ」(福祉)
年齢や性別、運動の得意不得意、障害の有無に関わらず誰もが楽しめる新しいスポーツである「ゆるスポーツ」に取り組み、福祉における現在の課題や自分たちにできそうなことなどを学び、今後の生活でどのように貢献できるかを考えた。日本ゆるスポーツ協会の方を講師として招いて、「ベビーバスケ」や「洗濯テニス」等を紹介していただき、実際に取り組んだ。また、子どもたちは、新しいゆるスポーツを考える活動を通して、スポーツ弱者や社会的弱者の立場で物事を考え、多面的・多角的な視点で福祉問題をとらえることができ、社会の一員として自分ができることは何かを考えるなど、学びを深めることができた。

② 4年生 社会「自然災害から身を守る」(減災・防災)

災害から身を守るためには「自助・共助・公助」の3つが大切であることを学ぶ単元である。子どもたちは、自分の命は自分で守ること、そのためには何ができるか、また、行政がどのような対策をしているのか、調べ学習を通して学んだ。これらの学びを生かし「共助」の意識をさらに高めようと考えた。そこで、区役所の防災担当の方から「快適に過ごせる避難所を考えてほしい」という課題提示をしていただいた。子どもたちは「どのような人が避難所に来るのだろう」「避難場所は体育館だけではなく、教室も使おう」「小学生でも協力できることは何だろう」など、様々な視点から快適な避難所を考えた。区役所の方に考えたものを提案し、評価をいただいたことで、自分たちも社会の一員として「共助」に関わる大切さを感じることができた。

③ 4年生 理科「雨水のゆくえ」(環境、減災・防災)

雨が降った後の水はどうなるのかについて、運動場や砂場、アスファルトなどの地面の様子を観察して、意見を交流した。まず、地面の傾きに目を向けた児童は、水は高いところから低いところへ流れていくことに気付き、これは水が排水溝に流れていくようになっている洗面所やお風呂場にも使われていると説明することができた。次に、雨水は地面にしみ込んで行くのではないかと考えた児童から、運動場と砂場の砂で水のしみ込み方の違いを観察した。すると、それぞれの砂の特徴によって水のしみ込む速さが変わることに気付くことができた。この観察から、児童は、運動場の水はけがいいのは、アスファルトと同じようにしみ込ませずに流すことができるように工夫されているのだと考えた。また、砂場の砂を使うと足場がどろどろになってしまい、渇いたときにでこぼこになってけが人が増えると考えるなど、運動場について考えを深めることができた。このように、少しの工夫で住みよい環境になっていることや大雨などの防災対策にもつながっていることを学ぶことができた。

④ 6年生 理科「生物と地球環境」(環境)

自分たちが生きていくのに必要なものは何かという問いに、児童は「空気」と「水」と答えた。大半の児童は、普段使っている水には限りがあることや大切にしないといけないことは感じている。しかし、自分たちがどれほど水を無駄遣いして、環境を破壊しているかについては考えをもつものは少ない。そこで、少量の墨汁を魚が住めるほど綺麗な水にするにはどれだけの水が必要かを検証する実験を行った。他にも絵の具やソース、醤油など普段流してしまっているものも用意した。すると、5mlの墨汁を綺麗にするには、その10万倍の水が必要であることに気付き、他のものも同じように大量の水が必要であることが分かった。この実験を終えて児童は、普段何気なく残してしまっていた食べ物や飲み物、使いすぎてしまっていた絵の具や墨汁を流し捨てることが環境に大きな影響を与えていることに気付くことができた。環境のことについて普段意識していなかったと答えた児童も、一人一人がもっと環境のことについて考えて生活していかないといけないと思ったと考えを深めることができた。

⑤ 5年生 社会「わたしたちのくらしと水産業」(持続可能な生産と消費)

食料生産のうちの一つである水産業について、「日本では昔から自然環境を生かした水産業が盛んであり、生産者は消費者のニーズに応えるために、工夫や努力をしている」ことを学ぶ単元である。子どもたちは、「なぜ、日本では昔から水産業が盛んなのか?」について追究した後、東の食の会と岩手缶詰株式会社が生み出した「サヴァ缶」を教材として取り上げ、東日本大震災によって被災した水産業の未来について考えた。会社の方とオンラインで「東北の水産業を盛り上げるためには?」と、アイデアを考える議論をする中で、「消費者が、食料生産の一端を担っている意識を持ってほしい」「これからも日本の食を支えるためには、安いだけで決めない」「新しいアイデアが日本を救う」という言葉をいただいた。子どもたちにとって、消費者として自分たちにできることを考えるきっかけになった。

来年度の活動計画

令和4年度においても、各学年の総合的な学習の時間及び各教科の学習において、「探求的な見方・考え方を働かせ、よりよく課題を解決し、自己の生き方を考えていくための資質や能力の育成」を目標として各学年がテーマを設定した学習に取り組んでいく。コロナ禍においては、オンラインでの実施や、学習活動の内容を見直すなどして、継続的に取り組めるよう検討する。