2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 持続可能な生産と消費

本校は,今年度から「総合的な学習の時間」において,3年間の学習内容を系統立てる中心としてSDGsを掲げている。活動に際しては,SDGs の17の達成目標のいずれかを意識させ,学年に応じた活動の中で「①課題の設定」「②情報の収集」「③整理・分析」「④まとめ・表現」の活動を行う。また,生徒一人一人の社会的・職業的自立に向けて,キャリア教育も活動の中に取り入れ,働くことの意義や職業観を学ぶことで,意欲的に仕事に取り組む姿勢を身に付け,自分の進路を主体的に選択・決定できるようにすることをめざす。

その中でも,3年間の学習活動の入口となる1年生では,テーマを「SDGsについて知る」とし,学習活動を行った。

6月には,「オンライン企業訪問」を開催した。IT関連企業やコーヒー豆の輸入・販売を行う企業など九つの企業・団体の協力を得て,生徒はその中から二つを選択し,その企業・団体の経営・活動理念やSDGsに関する取組について話を聞いたり,質問をしたりした【写真①】参照】。

7月には,「生物」「海洋」「歴史」「産業」「国際理解」のうち,個々の興味・関心に基づいて選択したテーマを基に,現地調査活動(校外学習)を行った。このうち,「国際理解」のテーマで「JICA中部なごや地球ひろば」を訪問した生徒は,途上国の現状を知り,「きれいな水が手に入らない」「農業の技術が未発達で,満足に食料が得られない」といった事実を知ることができた(【写真2】参照)。その後の成果発表会では,「途上国で起こっている問題は他人事ではないなと思った。そんな問題に対して,まずは足元から,自分のできることを少しずつしていくことが大切だ。」といった感想を発表した。

 【写真1】  【写真2】

このような学習を通して,SDGsの基本的な知識を得て,SDGsの達成目標をめざして活動している企業・団体の実際の取組や現状に触れることができた。そうすることで,ユネスコスクールが重点的に取り組む三つの分野である,①地球市民および平和と非暴力の文化,②持続可能な開発および持続可能なライフスタイル,③異文化学習および文化の多様性と文化遺産の尊重について考え,行動しようとする態度を養うことができたと考えられる。

来年度の活動計画

令和4年度も,今年度に引き続き,SDGsを活動の軸とした総合学習を継続していきたいと考える。各企業・団体との交流の実績を生かし,新型コロナウイルスの感染状況も踏まえながら,オンラインによる学習会や現地調査を取り入れ,学習内容を充実させていく。また,各教科ではキャリア教育の視点を取り入れたカリキュラムを確立し,総合学習の内容を教科の授業でも横断的に関わらせながら活用していく。また,本校の特色であるFW(フィールドワーク)についても,新たな分野の情報収集を行い,今日的な課題の解決方法を探る方法を模索させていきたいと考える。1年生でのSDGsに関連した現地調査学習を皮切りに,2年生では小豆島,3年生では関東方面へ宿泊学習に出掛けることから,その際のFWの活動において,探究のプロセスを通じた一人一人の資質・能力の向上を目指していく。そうすることで,3年間を通じ,系統的に幅広く,持続可能な社会づくりの担い手につながる教育活動を行っていきたい。