2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, 環境, 文化多様性, 平和, 人権, 福祉, 持続可能な生産と消費

当校では,「いのち」という領域を設定し,困難にくじけず多様な「生命」のつながりを発展させ,基盤となる「安全」な社会を実現しようとする,賢く,しなやかで,たくましい社会の担い手をはぐくむ教育活動を行っている。具体的な活動例として,①減災・防災に係わる活動,②福祉に係わる活動の概要を紹介する。

① 減災・防災に係わる活動

「雪との上手なつき合い方」(4年生)

新潟県に住む子供たちにとって,冬は雪の中での生活を強いられる。専門家から,温暖化が進む現状においても,今後,長岡は大雪に見舞われることはあり得ることを聞き,雪との上手なつき合い方について考える思いをもった。新潟県地域振興局の方から,道路の除雪に100億円以上もの費用をかけて安全を守っていることを聞いた。これを聞いた子供たちは,自分の家の周りの雪かきに協力しよう意欲を高めた。

しかし,大雪時の雪かきには危険が伴うため,やることに不安を感じていた。どんな危険があり,どのように気を付けて雪かきをすればよいかを話し合うことを通して,雪下ろしをする人の下に行かないことや,安全な装備をして行うことなど,危険への対処の仕方について学んだ。雪の危険性について自分自身で判断して安全に行動しようとする姿につながった。

② 福祉に係わる教育

 「つながる命」(6年生)

自分の命が今後どのようにつながっていくのかに興味をもった子供たち。高齢者の生活を考える難しさに悩んでいた。そこで,定年退職後,ボランティア活動を続けている方から高齢者の生活の様子について話を聞く機会を設けた。高齢者になっても考え方や行動次第で自分の生き方を豊かにできるという講師の思いに真剣に耳を傾けていた。

高齢者の暮らしは助けてもらうことが多く大変かもしれないという見方が強かった子供たちだが,高齢者になっても行動次第で目標をもったり,助け合ったりして生きていけることを学んだ。今後さらに社会の高齢化が進むことが考えられる中,自分たちのこれからの生き方を充実させるために前向きに暮らしていくことの大切さにも気付けたことは価値ある学びであった。

来年度の活動計画

来年度も引き続き,当校が目指す「多様な『生命』のつながりを発展させ,基盤となる『安全』な社会を実現しようとする,賢く,しなやかで,たくましい社会の担い手」を育てるために,今年度の年間活動計画を基に,単元を開発したり見直したりする。これまで開発してきた多岐にわたる単元の活動分野をテーマごとに整理をしたり,教材を工夫したりして子供たちが主体的に取り組めるようにする。また,活動は教師主導ではなく,子供主体の問題解決的な活動になるように努め,教科横断的に教育活動が展開できるように教科との関連性についても充実を図っていく。

発信や交流については,保護者・地域に発信するだけでなく,附属校園という利点を生かし,幼稚園,中学校とも連携しながら子供たちの積極的な交流活動が展開できるように工夫していく。