2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 環境

リスの「貯食体験」の活動

本校は、ユネスコスクールとしてSDGs17の目標を見据え、自分たちが住む地域の環境問題に向き合い、未来を展望しながら解決に向かう学びを進めている。そこで、SDGs目標15「陸の豊かさを守ろう」へのアプローチのもと、理科の見方・考え方を働かせた問題解決の活動をするESD環境学習を構想した。身近な自然に親しむ活動を通して、生き物と自然環境との関わりについて探究し、身近な生き物を大切にしようする姿につなげたいと考えた。

具体的な活動としては、生物多様性を学ぶ学習を柱に、①動物の暮らしと環境に関わる学習、②森林環境を支える動物に関わる学習、③自然環境保全への意識を高める学習、④生物多様性に関わる学習を行った。

①「校内にはどんな動物がいるのだろう」 身近な動物と環境との関わりを知る実践(9月~10月)

「動物ミッケ大会」と称し、校内の生き物を散策する活動を行った。活動を通し、動物の住みかの決め手には「隠れ家」と「食べ物」という共通点があることを知った。周囲の自然環境と関わり合って動物は生きているということに気が付くことができた。

②「自然豊かな森林環境の世界をのぞく」 森林環境を支える動物について学ぶ実践(12月)

一般社団法人環境創造研究センターの清本三郎氏と、特定非営利活動法人もりの学舎自然学校の水谷央氏と授業連携をし、森の自然環境を観察しようと長久手市のもりの学舎へ出向いた。実際の森林に入っていき、草むらでのバッタの観察、イノシシの足跡やマーキングの痕、動物が栗を食べた後の残骸の観察などを行った。また、野生のリスになり切ってドングリの実を森の中へ隠す「貯食体験」を行い、森に住む動物によって森が作られ、守られていくことを実際の経験を通して学ぶことができた。子供たちは「動物と自然環境は、互いに共生し合って生きている」という考え方をもつようになった。

③「自然環境はどのように保全していくのだろう」 自然環境保全について学ぶ実践(12月)

市内の自然環境を見に行こうと、岡崎市鳥川町の「ホタル学校」へ出向いた。児童は学区の自然環境との違いに驚いており、鳥川町の人々はこの自然環境を今までどのように守ってきたのかということに疑問を抱いていた。ホタルを大切に守ってきた鳥川町の人々の行動から、自分たちも地域の虫たちを大切にしていきたいという思いが芽生えてきた。また、森との共生という考えの基、森の自然環境がより豊かになるためにとられている間伐という方法についても理解を示し、児童目線でこれから間伐材をどうしていくとよいのか考えることができた。

④「自然は誰のためにあるのだろう」 生物多様性と自然環境について考える実践(12月)

環境省生物多様性施策推進室が配布している絵本「いきることはつながること」を使用し、生き物と自然環境とのつながりについての振り返りをした。生き物と自然環境は密接に関係しているということを改めて意識し、動物にとって大切な自然環境を、これからも大切に守っていくべきだという考えをもつことができるようになった。子供たちは、自分たちにできることはなにかを考え、自然環境に関する思いを高めた。

来年度の活動計画

継続して「自己の見方や考え方の変容を自覚し、未来を展望しながら学びに向かう子供の育成」をテーマに、SDGs目標を見据えてESDの視点に立った教科横断的な学習の展開を目指す。

・持続可能な暮らしを考え、学区の暮らしと地域の自然環境を守るために必要なことを考える。

・身近な自然環境や生き物に目を向け、将来や地域の自然の未来のための環境保全の行動について考える。

・学区の伝統を引き継ぎ、いつまでも守り続けたい学区の在り方を考える。