2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

世界遺産・地域の文化財等, 人権, 持続可能な生産と消費

児童が探究的な学習の取り組みを推進できるよう、地域や伝統文化を主要テーマとして実践に取り組んでいる。「総合的な学習の時間」で、地域にある有形・無形の文化財を調べたり、体験したりする活動を通して、よりよい社会を築いていくために解決すべき課題を探究していった。

3年生 「リンゴを育てよう」
 校区の舘町や大桑町ではリンゴやナシを育てる農家が何軒もある。学校にもリンゴの木が3本あり、毎年校区のリンゴ農家の浦野さんから教えていただきながら3年生がリンゴを育てている。

 今年も春と夏に浦野さんのリンゴ園を訪れ、見学したり世話の仕方を教えてもらったりした。リンゴ園の広さに驚くとともに、浦野さんの仕事の苦労やリンゴに対する愛情を知り、それが浦野さんのリンゴのおいしさのヒミツだと気付くことができた。自分たちでも世話の仕方を調べ、収穫を楽しみにしながら世話や観察を続け、収穫したリンゴの皮をむいて食べたりソテーして食べたりしてみんな大満足であった。自分たちもリンゴの世話をし育てる中で、リンゴに対する関心が広がり、リンゴの種類や産地、栄養などの課題をもち、調べ活動も行うことができた。

4年生 「辰巳用水探検」

 校区内を辰巳用水が流れているため、児童は辰巳用水を知ってはいるものの、その歴史や役割についてはほとんど知らない。そこで今も使われている辰巳用水について調べ学習を行った。調べていくうちに辰巳用水を作った板屋兵四郎をはじめとする用水を切り開いた先人たちの知恵や苦労を知ることができた。
 また、辰巳用水土地改良区の方々のお世話により、用水のトンネルを見学した。資料から得られなかった気づきや驚きを用水新聞にまとめ、交流会を開いた後、廊下に掲示し、校内に発信した。

5年生 「金沢の食文化に学ぶ」
「金沢の食文化を学ぶ」というテーマのもと、「米作り」に取り組んだ。

 一人一人が米作り体験をするために、マイバケツと花壇での田んぼを準備した。土作りから田植えをし、稲から米が収穫できるまで日々観察、お世話をした。一人一人が収穫できた米は全部で2㎏であったが、この体験から育てた米を食べる喜びと農家の人の苦労や工夫に気づき、食への関心が高まった。
 また、家庭科の学習を生かして、自分たちの育てた米を炊いて食べる計画を立て、実習を行った。

6年生 「国際社会の未来」

金沢の歴史と文化をグループで探る「城下町ウォーク」を実施した。金沢城公園、兼六園、長町武家屋敷、歴史博物館などを見学した。私たちの暮らす金沢には、すばらしい歴史と文化があり、それらは受け継がれ、残されてきたことを学んだ。これからは、自分たちが次の世代へと伝えていかなくてはならないという使命感をもつことにつながった。

 「差別を考える」学習を通して、エイズで苦しみ悩む人たちの存在を知った。はじめはエイズについて何も知らなかった子どもたちだが、北陸HIV情報センターの方から、感染者の方々の生活や思いを聞き、差別について深く考えるよい機会となった。また、病気や差別で苦しんでいる人たちを励ましたいと、一人一人が思いを込めメッセージキルトを作った。学習を通して、自分の生き方についても見つめなおすことができた。

来年度の活動計画

 地域の自然や人々と関わるにつれて、自然の恵みに気づくと共に、その自然と関わり、文化を育み、守り、伝えてきた人々の存在と、人々の苦労と工夫や努力を知ることができた。

 学習を通して、自分が住んでいる地域をこれまで以上に好きになり、誇りを持つようになっていった。さらに、児童はこれからの自分の行動について考えたり、環境や自然を守ったり大切にしたりしていかなければならないという思いをもつことができた。

 以上の成果から、令和2年度も継続して活動していき、さらに自然や文化、人々との関わりを広げられるような工夫を検討していきたい。