2020年度活動報告
本年度の活動内容
生物多様性, 減災・防災, 環境, 国際理解, その他の関連分野
本校は、「共生」を当面の活動テーマとして、ESDを「他者(人間社会・自然環境)と自己とにおける関係の持続可能な発展・成長のための学習」と捉え、ESDの実践を通して「他人、社会、自然環境との関係性を認識し、関わり、つながりを尊重できる」力の育成を目標とした。
具体的には、自己理解と他者理解、自然環境との共生、地域社会との共生、そしてこれら3つを総合的に連携づける実践的活動としての防災を柱に、①コミュニケーションに係わる学習、②自然環境に係わる学習、③地域共生に係わる活動、④防災(水害)に係わる活動を行った。
①コミュニケーションに係わる学習
第1学年においては、宿泊研修(4月)において構成的グループエンカウンターに加えて、年間7回にわけてピア・サポートとして段階的なコミュニケーショントレーニングを経験する予定であったが、コロナ禍で数回しか実施できなかった。第2学年においては、インターンシップ(職業体験)において、適切な言動に関する練習を経て研修を受けた。第3学年においては、進路に関わり他者(志望先)の深い理解にもとづく適切な自己表現(自己アピール文・面接)に関して実践的に取り組んだ。
②自然環境に係わる学習(全学年)
近隣の自然河川である空知川(ソラプチ川)及びユクトラシュベツ川、それらが流れ込むかなやま湖に生息するイトウの生態、その保護方法の1つとして周囲の森林環境保全及び河川管理の必要性に関する、小学校・中学校での学習及び調査体験を基盤として、さらに高校の科目「生物」「現代社会」「地理」「家庭総合」などにおける関連学習項目とも関係づけを行いながら、高校生の視点での学習及び調査体験に取り組んだ。これら自然環境のもとで我々の生活が成立していることの象徴としての、夏季湖上のカヌー部活動また冬季氷上のカーリング部活動及びそれぞれの体験授業に取り組んだ。
③地域共生に係わる活動
第1学年においては、高大接続の連携校である札幌国際大学の教授を招き、町にある国設スキー場の活性化に関する講義を聴き、観光・レジャー産業に関する考え方を学んだ。第2学年においては、インバウンドツーリズム需要による地域観光産業・地域農業関連産業・高齢化に伴う介護福祉関連事業へのインターンシップ、全学年において、それらを包括する活動としてのボランティア活動や地域PR活動、それらの本質的な諸問題を学習しその改善策を検討して参政権のあり方などを模擬体験する有権者教育に取り組んだ。いずれも交流・理解・貢献のフローを基調としている。
④防災(水害)に係わる活動
平成28年8月末の記録的な大雨により本町・南富良野町が洪水の被災にあったことを契機に「南富良野町実践的安全教育モデル構築事業」(主管・南富良野町教育委員会、平成30年度北海道実践的安全教育モデル構築事業)が昨年度推進され、町内小中学校と連携し、全学年を対象に自然災害や気象に関わる知見を深め、情報収集や日常的な備え、連絡体制、助け合いや気配り、避難訓練、救命行動などについて、教科横断的な学習及び実践体験的な学習に取り組んだ。
来年度の活動計画
1 今、なぜユネスコ・スクールなのか、なぜESDなのか、何をユネスコ・スクールがめざしESDが推進しようとしているかついての理解を深める。
2 校内・校外のいずれにおいても、本校の学習や活動が、ユネスコ・スクール及びESDの活動でもあることについての認知度を上げる。
3 校内においては、それぞれの活動(教科指導・学校行事など)の何がESDに関わるものなのかを整理・意識しつつ、それぞれの活動が有する教科横断性や分掌横断性をさらに活性化し、思考力・判断力・表現力を磨き、主体性・協働性・多様性を保持する、より計画的な活動の推進を模索する。
4 近隣のユネスコ・スクール認定校・ESD推進関連団体との接触を検討しネットワーク形成を模索する。