2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境

本校は、「自ら取り組み やりぬく子」を学校理念として、ESDを郷土愛の育成と捉えている。ESDの実践を通して、将来にわたって、子どもたちが「三枝の郷」に誇りと愛着をもつこと、そして、地域の伝統や環境を守ろうとする心を育てることを目標とした。
具体的には、地域の自然と触れ合いながら学ぶ環境教育を柱に、学校と地域が協力しながら、①「さえぐさ活動(全校体制で行う栽培活動)」、②「ホタルの飼育活動」に係わる学習を行った。
①さえぐさ活動(全校体制で行う栽培活動)に係わる学習

今年度は、次のようなスローガンでかぶら市(昭和50年より継続)まで、6年生を中心とする全校縦割り班(さえぐさ班)で取り組んできた。
かしこく取り組もう。   みんながよろこぶ市にしよう。「いらっしゃい」大きな声でよびこもう。 いっしょうけんめいそだてよう。ちいきのみなさんとでんとうをまもろう。
  春から夏にかけてはジャガイモ、夏から秋にかけては、大根とかぶの栽培を行ってきた。種まき、間引き、収穫の各活動では、異学年の児童らが互いに協力しながら活動している。
  11月の「かぶら市」では、今年度はオープニングに全校でダンスを披露し、自分たちの 育てた自慢の大根とかぶを全校児童で地域の方に販売することができた。準備や販売では、下のように各学年が責任をもって役割を果たした。
○6年生:うね作り・さえぐさ班の役割分担(準備・当日)・製作の支援・水槽準備・
          家の人への手紙の準備・値付け、たばね・会計
○5年生:うね作り・さえぐさ班の役割分担(準備・当日)・製作の支援・
 水槽準備・値付け、たばね・会計・もち米関係
   ○4年生:種まき準備、計画・お面の準備、計画、指導
         ・呼び込み練習、計画、指導(1~4年)
   ○3年生:さえぐさ班の看板作り・呼び込みの練習
   ○1・2年生:サンドイッチマン作り・呼び込みの練習
  また、今年度は、例年の5年生が栽培したもち米の販売に加え、3年生が栽培した花で作成したしおりや収穫した種のプレゼントも行うことができた。

②ホタルの飼育活動に係わる学習
 4月から4年生が中心となり、地域の「ホタル保存会」の方やPTAの方に協力していただきながら、ホタルの飼育・観察を行っている。ホタルの飼育を通して、自然との共生や命の尊さを学んできた。餌となるカワニナ採り、ホタル小屋の掃除、幼虫の観察などを毎日の当番活動で取り組んでいる。
 4月の中旬には、学校のホタル小屋で育ててきた幼虫を、校庭に設置されたビオトープに放流した。また、6月には、自分が住んでいる町内近くのホタルの生息場所において親子で飛翔観察を継続して行い、地域の環境にも目を向けてきた。さらに、6月下旬には、「ほたるの夕べ」という会を開催し、地域の招待客、全校児童、保護者が参加した。この会で、4年生児童は学習成果を発信し、他の学年の児童は、4年生の発表や「ホタル保存会」の方の講話を通してホタルや命の尊さについて学んでいる。その後、校庭のビオトープや地域のホタルの生息場所にて、美しい光を放つホタルを鑑賞している。
 秋からは、次年度に向けて卵から羽化した幼虫を育てるとともに、ホタルの飼育活動を通して感じたことや環境保全についてポスター作成を行っている。

来年度の活動計画

来年度も、地域に誇りと愛着をもち「三枝の郷とともに生きる」児童の育成につながる活動を継続し、今後の自分の生き方を考える場をつくっていきたいと考えている。

①さえぐさ活動(全校体制で行う栽培活動)に係わる学習
<1・2年:生活科の学習 3~6年:総合的な学習の時間の一環>
*土に触れ、汗を流して働くことや仲間(異学年の児童)とともに協力する大切さを学ぶ。
*自分たちで育てた作物を収穫する喜びを感じたり、栽培から販売まで通して取り組んだりすることで、達成感と貢献感を味わうことができる活動とする
*地域の方々と触れ合う中で、支えられている自分達やその地域性について考え、見つめる場とする。

②ホタルの飼育活動に係わる学習<4年生を中心とした取組:総合的な学習の時間>
*昭和61年より始まったホタルの飼育活動(35年目)を伝統として地域の方に指導を受けながら継続して行う。
*ホタルの飼育を通して生命の大切さと地域の環境に目を向け、さらに地域の環境を守ってきた地域の方の思いに触れ、自然との共生や生命の尊さについて学ぶ。