2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等

本校は,「自ら考え,共に高め合う児童の育成」を学校教育目標としている。ESDを「地域の自然や伝統と人々の生活について関心をもち,探究的・協働的に学ぶことを通して,主体的に学ぶ学習者としての態度と実践力を身に付けるとともに,明るい地域の未来を作る担い手としての自己の生き方を考えることができること」と捉え,ESDの実践を通して課題発見・解決力,実行力,自己理解・自らへの自信,人としての思いやり,未来を担う志の育成に取り組んできた。
具体的には,地域の自然や伝統と人々の生活を柱に,様々な活動を計画していたが,新型コロナウイルス感染症への対応のため,活動を減少させざるを得なかった。その中でも,1防災に係る学習,2地域の文化財に係る学習を行った。

1 防災に係る学習

(1) 熊四小防災の日
2018年7月西日本豪雨災害において,本校の児童も被災した。本校では,防災についての正しい知識を学び,災害の教訓を忘れないようにするために7月6日を『熊四小防災の日』としている。今年度も感染症対策のため,オンラインでの開催になった。黙祷を行い,防災についての紙芝居や寸劇を見て学んだり,心のケアが必要な時の対処法などを学んだりした。

(2) マイ・タイムラインの学習
全校で学年の成長段階に応じたひろしまマイ・タイムラインに取り組んだ。今年度は,参観日を通して,保護者と一緒に考えてもらう機会をつくった。学校で学んだことを家庭に持ち帰って防災に関してもう一度話し合ったり,避難に向けての事前の行動や準備物等について共有化を図ったりと,防災の意識の高揚につながった。

(3) 5年 総合的な学習の時間
5年生が年間を通して,災害について学び,防災・減災への意識を高める取組を行っている。外部講師や熊野町役場の方の講話,校区内の砂防ダムの見学,町内の防災施設・設備の見学などを行った。関係機関との学習や見学を通して,更に防災・減災について調べ学習をしまとめた内容を全校や地域に発信している。

2 地域の文化財に係る学習
(1) 筆づくり体験
本校では,毎年,4年生が地域の伝統工芸を学ぶ学習の一環として筆づくり体験を行っている。本年度も筆の里工房に行き,伝統工芸士の方から,毛のさばき方から筆の作り方を学んだ。児童は,180年続く筆づくりの歴史や筆や毛の種類を調べ学んだ後に,実際に筆づくりの体験することで郷土への愛着を深め,大事にしていこうとする意識を強くもったようだった。

(2) 熊野音頭
3・4年生が地域の伝統行事を学ぶ学習の一環として,熊野音頭に取り組んだ。地域の方に来ていただき,踊りを教えていただいた。運動会の際には保護者の前で披露した。例年は,保護者・児童・地域の方が一緒に交流しながら踊っている。本年度も,感染症予防のため,児童の披露のみとなったが,児童は地域の伝統行事に触れることで,地域への愛着を高めていった。

(3) 和太鼓演奏
本校では,伝統的に新6年生が旧6年生より和太鼓演奏を引き継ぎ披露している。本校で奏でる組曲「絆の力」は,西日本豪雨災害から,地域のみんなが力を合わせて頑張っていこうという思いの込められた曲であり,例年地域の方に聞いていただく機会を設けている。今年度は残念ながら地域の方に披露はできなかったが,学習発表会で保護者に発表した。毎年,引き継いでいくことで,豪雨災害の教訓を忘れないようにするとともに,地域への愛着を深めることができている。

来年度の活動計画

令和4年度と同様に,地域の自然や文化,人などに意図的・効果的に出会わせ,児童が意欲的に追究したい課題を設定し,地域の人材(農業経験者,伝統文化継承者,ボランティアグループなど)と意図的・計画的に出会わせることで,その教育力を効果的に生かせるようにする。そして,ポートフォリオを活用するなどして評価を充実させる。主な活動は次の通りである。

【熊野町の魅力】 「熊野町のみりょくみつけ」「筆豆作り」「筆祭り」「筆踊り」

【熊野環境プロジェクト】 「ごみ減量大作戦」「二河川クリーン作戦」

【地域の風土と食】 「食と私たちの生活」

【共に生きる】 「ぼくたちの未来探し」「自然災害に備えよう」