2019年度活動報告

本年度の活動内容

本校は、「地域で学び、地域のよさを受け継ごう」を活動テーマとして、ＥＳＤを「人、社会、自然環境」との関係性から、「関わり」や「つながり」を大事にする児童の育成と捉え、ＥＳＤの実践を通して地域のよさを見つけ、地域の一員としてふるさとで生きる自分を見つめ、自分の生き方を考える力の育成を目標とした。

具体的には、自然、文化、人とのふれあいを柱に、①地域の方とふれあう活動、②福祉に係わる学習、③自然を生かした果樹栽培に係わる学習、④郷土の文化・歴史に係わる学習を行った。

① 地域の方々とふれあう活動

３年生は地域のお年寄りとの交流をした。歌を披露したり、手遊びやゲームを考えたりして、交流を行った。どのようにしたらお年寄りの皆さんに楽しんでもらえるかと考えて準備を進める過程で、人のために何かをするという相手・目的意識を持つことができた。また、大豆を豆から育てて豆腐作りをする活動では、収穫時に一粒の豆も落とさず大事にした。今後、手作りの豆腐の味を知ることで「食」を大事に考える予定である。

② 福祉に係わる学習

地域内にある福祉協議会に協力をしていただき「福祉とは何か」「障害とは何か（ブラインドウォーク」「車いす体験」などの講話や体験学習を行った。障がいを知るだけではなく、障がいを持つ方々の思いや願いを知ることで「自分達にできることは何か」を考えた。「共に生きる」という視点で考えていくことで、互いの生活や思いを大事にするためには何をするとよいか、自分なりの考えを持つことができた。

③ 自然を生かした果樹栽培に係わる学習

地域の名産品である「りんご」の栽培活動を行った。「摘花」「摘果」「収穫」などの体験活動を通して、「りんご」が久々野の特産品になっている理由や栽培にかける農家の方々の思いや工夫を学んだ。寒暖の差をいかした農業は、りんご以外の農産物の品質のよさにつながっている。収穫後はりんごを使った加工品づくりに挑戦した。今後、学びをまとめた掲示物を農園や支所などに掲示をして、学びの発信をする。

④ 郷土の歴史・文化に係わる学習

古代、平城京とつながっていた「位山官道」について学び、修学旅行で訪れた京都・奈良へ当時は歩いて行った人々に思いを馳せた。高山が「小京都」と呼ばれる所以もあり、「道」とともにつながりを感じる学習となった。今後久々野のお宝探検として、市の文化財の「東家土蔵」や安永騒動における義民長次郎の働き、用水や自然物について、半日かけて町内を巡り、地域を知る活動を行う。

来年度の活動計画

１年生：【郷土の自然に親しむ】学校の周辺や、地域の公園などに出かけ、久々野地域の自然に親しむことができる。

２年生：【郷土の様子を知る】学校周辺の公共施設や商店を訪れ、地域の方々とふれあうことができる。

３年生：【郷土の方々とふれあう】大豆づくりを通して、地域の方々とふれあい学ぶことができる。地域のお年寄りが憩う施設を訪問し、進んでふれあうことができる。

４年生：【郷土の福祉を知る】郷土の福祉施設を訪れたり、福祉施設で働く方々の話を聞いたりして、郷土の福祉について理解することができる。

５年生：【郷土の産業を知る】地域のりんごの果樹園で、栽培体験活動を行うことを通して、地域の産業振興について考えることができる。

６年生：【郷土の歴史とよさを知る】地域の歴史について、積極的に話を聞いたり、調べたりすることができる。久々野の各地域の特徴を調べ、地域のよさを理解することができる。