2019年度活動報告
本年度の活動内容
環境, 世界遺産・地域の文化財等, 国際理解, その他の関連分野
本校では,「夢と志をもち,心身ともに健康でたくましく,実践力のある子どもの育成」を学校理念として,ESDを学校理念実践のための有効な手段と捉え,ESDの実践を通して様々な人やものと関わり合う教育活動を創意・工夫したいと考えた。
具体的には,北方神楽の継承,インドネシア・アチェ州の小学校との交流,そなえの時間を柱に,①地域遺産に係わる活動,②国際理解・文化多様性に係わる活動,③防災に係わる学習を行った。
① 地域遺産に係わる活動(3年生)
当地域には,元禄16年(1703年)から伝わる『鹿島流十六拍子南部神楽(通称北方神楽)』があり,地域の継承会の方々が伝統を受け継いでいる。子供たちが地域の伝統文化にふれ,学び,次世代へ受け継ぐ気持ちを育成することを目標に,3年生の子供たちが継承会の方々から,神楽の歴史を聞いたり,実際に踊って一つ一つの動作の意味を学んだりしてきた。神楽は学芸会で保護者に披露したり,地域で開かれる芸能祭で披露したりした。
② 国際理解・文化多様性に関わる活動(4年生)
子供たちが広い視野をもって異文化を理解すると共に,多様な文化を尊重する態度や異なる文化をもった人々と共に生きていく資質や能力を育成することを目標に,インドネシア・アチェ州のSD43小学校との交流を行った。インターネットのビデオ通話機能を活用して対話をしたり,プレゼンテーションソフトを活用して手紙を書いたりした。子供たちは,互いの文化や伝統を紹介し合うことで,あらめてふるさとのよさに気付いたり,言葉や文化の違いを踏まえたよりよいコミュニケーションの在り方を工夫する楽しさに気付いたりした。
③ 防災に係わる学習(全学年)
東日本大震災の教訓を踏まえ,子供たちが,災害時に自らの命を守り抜く具体的な行動ができる力を育成する目標を吟味し,防災について学ぶ「そなえの時間」を年に12回設定してきた。自助・共助・公助について,学年の発達段階に応じてバランス良く学ぶことができるよう年間指導計画を作成し,保護者や地域の方と連携した避難訓練をしたり,自然の家の活動メニュー「防災クッキング」を行ったりと学習の発展性も工夫して,災害時に自分たちの命,地域を守ろうとする具体の取り組みができるようにした。
来年度の活動計画
令和2年度も,今年度の活動を継続し,「地域遺産」「国際理解」「防災」に関する各活動をより充実した学びへと発展させていきたい。また,農地の重要な用水源である「長沼」について,迫川沿岸土地改良区と連携した環水辺環境保全活動体験をとおして,ふるさとの自然資源への感謝の気持ちを一層育みたいと考える。さらには,PTA・公民館・登米市食生活改善推進員協議会・農協女性部・子供会育成会・地域の温泉施設等と連携して,昨年度から実施している合宿通学は,体験をとおした「福祉」や「防災」の学びと場となっていると共に,地域の人的文化財の力を結集した学びともなっているので,ユネスコスクールの活動として,本校の特色の一つとなっている教育活動であることを,より丁寧に,そしてよりひろく地域に紹介していきたいと考える。